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Part4:決して負けられない戦いがここにあるっ!

 決して負けられない戦いがここにある最終回、始めていきましてよぉ!!!

 前回、ワタクシがBLブラックホールに吸い込まれ、消息不明になってしまいましたが、なんとか亜空間から脱出することに成功しましたわっ! ……まあ、タイムは散々な結果になってますけれど。今回は残りのフロアを確認し会計を行いますわぁ。


 現在、ワタクシがいるのは魔のフロアこと四階ですわ。ここは実際時間と体感時間のズレが甚だしく、RTAにおいては一刻も早く脱出しなければなりませんの。その証拠にちょっとBL同人誌を確認していただけなのに、2時間も経過してましてよ。まさにRTA走者殺しですの。次の階へ向かいますわよ!


 タイムを意識しながら五階ですわぁ!

 このフロアではおもにキャラクターグッズを扱ってますの。キャラグッズやトレーディング、ストラップ、キーホルダー、ぬいぐるみなどなど、品揃えが豊富ですの。

 また、この上の六階もおもにキャラクターグッズを扱ってましてよ。そちらではTシャツ、アパレル商品、クッション、食器、時計、ポスター、タペストリーなどなど、こちらも購買意欲がそそられる商品だらけですの。


 ワタクシがとくに気になるのは、トレーディング系のグッズですわね。ワタクシが学生のときにはご学友の皆さんと一緒に買い集めたものでしてよ。物欲センサーに推しキャラ排出を阻害されないよう、ご学友に開けてもらったものですわね。それに被ったら交換できるというのもよかったですわね。ふふ、懐かしいですわね。


 へ、「今はどうしているのか?」ですって? そりゃ、ボックス買いしてコンプするまで開けましてよ。だって、コンプまで買えば絶対に揃いますもの。それにご学友とは金銭感覚の違いで疎遠になりましてよ……。ワタクシがお嬢様といえども。声優を個人所有のクルーザーに招くようなマジモンとは渡り合ませんわ。


 ともあれ散財が過ぎたので今回はスルー安定ですわね。流石にこれ以上増やすのは動画のネタとしても許容できませんの。愚民どもからのお布施があったとしても、ちょっと苦しいですし。さーて、お会計はどこかしら。


 ……おっと、失礼。噂をすれば影、ご学友からのDMですの。ええと、なになに。「カードの限度額で即退散とは、とんだ腰抜お嬢様ねぇ。でもまあ、似非貴族にしてはよくやったほうなんじゃなぃ? アニメイトお嬢様とは所詮、時代遅れの敗北者なんだからぁ。追伸:私たちが疎遠になったのはは貴方が同担拒否を拗らせたからではなくて?」ですってっ!!! 久々に連絡寄越したと思ったら、はぁ、はぁ、よくもワタクシをコケにしてくれましたわね!!! ワタクシの本領、見せてあげましてよっ!!!


 別にここにあるBOX、全部買ってしまっても構わないのでしょう?

 ――お嬢様を無礼んなよっ!!!


 ……というわけでレジですわぁ。

 当初の予定では予約Blu-rayを受け取るだけのはずだったのですけれど、何故か4カゴも持つはめになってましてよ。売り言葉に買い言葉でキャラグッズを買いまくったのがいけませんの。しかし、ここで引き下がればお嬢様ランクの下降は免れませんわ。それにどうであれ、一度買うと決めた商品を戻す真似など、ワタクシのプライドが許しませんこと。「一度手に付けた商品は絶対に買う」「最低限の生活費は死守する」両方やらなくっちゃあならないってのが「お嬢様」のつらいところですわね。会計を見る覚悟、愚民どもにはありまして? ワタクシはできてますのっ!


「お会計、お願いしますわっ!」


 ……と、止まらない。止まらないですわぁ、メーターが。

 予算オーバーなのは想定してましたけれど、それを余裕で越していくとは思ってもみませんでしたの。しかも、まだカゴが2つも残ってますわ。うげぇええええ、頭痛、吐き気、腹痛が同時に襲い掛かってきましたわっ。痛い痛い痛い……。こ、この現実は直射できませんの。あ、頭がクラクラする……。ど、どうして。止まってくれないの、メーターっ! ああ、視界が歪んでいく……。


 ……いくつか諦めるしかありませんわね、これは。

 だって、今月はソシャゲのガチャでクレカの限度額を突破してますの。ふふ、ガチャもクレカも天井到達ですの。ほんと笑えませんわ。かつての友人をぎゃふんと言わせたい。そんな邪な心でグッズを買おうとしていた罰が当たりましたの。確かにアニメイトでのお買い物はとっても楽しいですけれど、それは節度を守ってのことですの。身を滅ぼしてしまったら意味ないですわ。RTAという趣旨からは逸れてしまいましたが、代わりに大切なことを学びましたの。ガチャもグッズも家賃まで。それが今回の件でワタクシが学んだ教訓ですわ。


 ――その時ですの、ワタクシの脳内に存在しないコメントがあふれ出したのは。


「たかがクレジットカードが上限に達しただけじゃね?」

「まだやれることがあるんじゃないの?」

「俺たちからのお布施は別口座にしたって自慢してただろ」

「お嬢の推しアニメとのコラボクレカ、あるんじゃねーの?」


 で、ですが、そちらに紐づけている口座はそんなに預金がないですわ。だから、この場で支払うことなんてできませんの。もういいですの、ワタクシは敗北しましたの。


「……はぁ、これだからお嬢様は」

「コラボクレカの裏、よく見てみろよ」


 裏側?

 ……まさか、そんな。危険ですわ。

 たしかに、悪魔の力を用いればこの局面を乗り切れますの。

 ですが、それは悪魔に未来を売り渡す行為でしてよ。

 そんなことをしたら、いつまでお茶漬け生活をする羽目になるか……。


「その分、赤スパチャしてやるから」

「やってみせろよ、お嬢様」


 くっ、なんとでもなるはずですわあああああぁぁぁぁぁっ!!!!!

 こいっ、リボルビング・ルージュ!!!

 これが魂をかけたリボ払いじゃあああああ!!!


「ありがとうございました、またのご利用お待ちしております」


 店員さんのお礼を合図にタイマーストップっ!

 記録は3時間44分56秒。支払い金額は10万4000円ですわっ!

 く、やってしまいましたわ……。

 本当に取り返しのつかないことをしてしまった気がしますの。

 ああ、もう少しだけ冷静になれればよかったですわ。


「お嬢、袋の中、覗いてみな?」


 コメントの癖にワタクシに命令するとは偉くなりましたわね。ですけど、今回だけは寛大な心を持って、許してあげますの。なになに、袋の中身ですって?

 ふぁあああああっ! 推しのグッズでいっぱいですわ。そうですの、ワタクシ、誰かの命令で買い物をしたわけではありませんでしたわ。そんな簡単なことを忘れていましたの。それにこれらのグッズはどれも人気ですの。次にアニメイトを訪れた際に残っている可能性はないですもの。よって、今回のお買い物RTAは大勝利ですわ。おほほほほっ!


 タイム更新は次の戯れまでお預けでしてよ。

 高評価、グッドボタン、頼みましたわ、愚民ども。

 でしたら、また逢う日まで。


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