Part3:店舗特典の誘惑に抗えない精神脆弱お嬢様でしてよ……。
店舗特典の誘惑に抗えない精神脆弱者による第三部、始めていきましてよぉ!!!
前回、ワタクシが正気を失ってしまいましたが、なんとかリカバリーをおこない、お買い物を続行しましたわぁ……! ここからワタクシによる華麗な汚名返上劇が始まりましてよ。今回は買い物計画の見直しから、やっていきますわ。
現在、購入予定の商品だけでもカゴに重量を感じますの。ですので結構なお値段になっているのは想像に難くありませんこと……。さらに恐ろしいことにアニメイトでの会計金額はカートの重さに比例しませんの。アクキーが良い例ですわ、羽のように軽い商品ですけれども、お値段は結構しましてよ。
ああ、製造元の名誉にかけて申し上げておきますけれど、別に法外な価格ではありませんわ。ワタクシの懐事情が寂しいのがいけないですの……。もっとVIPなお嬢様となるため、精進しなければならないわね。
そんなワタクシのお財布事情はさておき。お買い物を続行しましてよ!
二階から再開ですの。といっても、前回はフロアの紹介をする前に力尽きてしまったので紹介から始めますわね! アニメイト池袋本店の二階は主に書籍を扱ってますの。少年・青年コミックス、ライトノベル、ネット系小説他大判ノベルスの「新刊」、KADOKAWA作品を買うならこのフロアですわぁ! もちろん、それだけではなく、スタッフさん激推しの芳文社コーナー、話題沸騰のcomicoコーナーなども展開ですの! その他画集、ファンブック、TRPG関連書籍の品ぞろえにも力が入れてましてよ。最新作、話題作のチェックはまずここから始まりますわっ……!
ワタクシ的にはラノベとネット系小説のチェックは欠かせませんわね。まだまだ悪役令嬢ものがアツいですわ。一見すると違いがないように見えるジャンルかもしれませんけれど、どの作品もあっと驚く捻りがあって、読むたびに驚かされてますの。イイですわね、乙女ゲーへの転生。ま、ワタクシは現世でもお嬢様ですけれども。おほほほほっ!
ですが、今回は購入を見送ることにしましてよ。推しコンテンツからの思わぬ供給にお金を使いすぎてしまいましたの。それにカゴも随分と重くなってきましたわ。かさばる本を両手にもって電車で帰宅するのは億劫ですの。
それに書籍であれば電子版という選択肢もありますの。それならば場所も取りませんわ! 部屋の中がグッズと書籍であふれかえり、部屋を実行支配されているワタクシにとって、これ以上本を増やすのは得策ではなくてよ。おほほほほ、ワタクシってばマジ賢いっ! ノーベル賞、いただきましてよっ!
……へ、アニメイト限定SS入り4Pリーフレットがついてくるの??? ま??? しかも、ちょうど欲しかった書籍、全部についてくるの??? さらにここでしか読めないエピソードってま??? そんなの買うしかないじゃんっ!!! カゴの重さがなんぼのもんじゃいっ!!! 私がいっちょ買い支えるってのが筋ってもんでしょ!!!
その、一言だけ弁明してもいいですの?
いえ、素が出てしまった件に関しては今更言うことなどありませんわ。もうそちらについては諦めてましてよ。ワタクシが言いたいのは、店舗特典は卑怯ってことですの。そりゃ、欲しくなりますわぁ……! 4Pのリーフレットのなかで描かれる推しの素顔とかホントもうバチくそにたまりませんわっ! そんなのをオマケとして付けられたら買うしかありませんのよ。くぅ~、ホントありがとうですわ、作者とアニメイトっ!
しっかし、お財布が本当にシャレにならないぐらいやばくなってきましたわね。今月の新刊で気になるものはだいたいカゴに放り込んだので、金額がやばそーですの。怖くて総額は計算できてませんけれど、絶対にヤバいですわ。体感ですけれど、来月はお茶漬け生活になりそーですの。マジヤバですわっ!
なので、次のフロアからは緊縮財政を敷きますわっ! なんとか耐えていきたいですの。……いえ、決してフラグなんかじゃありませんのよ。愚民どもの期待に添えないことをあらかじめ謝っておきますわっ!
決意を新たに三階ですわぁ!
このフロアでは少年・青年誌連載のコミックス「既刊」や一部新刊が置いてありますわっ! 古今東西、津々浦々の品ぞろえがあり、お目当ての作品が出会えること間違いなしでしてよ。さらに放送中のアニメ関連書籍が一堂に会するアニメコーナーの他、画材、アニメ・漫画の展示、限定フェアが好評なわくわくスペースなどもありましてよ。今期のアニメも面白い作品だらけですわね。それこそグッズが欲しくなっちゃいますわっ! ですが、ワタクシの財政状況ではちょいと厳しいですの……。ああ、ワタクシのオタ活を支えるアシナガ・パトロンは何処に居ましてよぉ……。涙をこらえて次の階へいきますわよ。
ふとタイマーを確認しましたところ、今のところ自己ベストですわね。
断腸の思いで三階フロアをカットした成果がさっそく現れましたわっ! そうですの、これはお買い物RTAですわ。この動画でもっとも重視すべきはタイムであって、購入金額ではありませんの。あぶね、うっかり忘れてましたわ。これであとはBlu-rayボックスを受け取るべく、七階フロアに足を運ぶだけでしてよ。がはははは、これは勝ち確案件ですわぁ! 今回は発狂せずに済みそうですの。そうと決まれば即座に七階へ向かいますわぁ!
……あれ、四階フロアって何がありましたっけ?
えっと、なになに「これぞ乙女の書籍の園! 少女漫画・ノベル、BLコミックス・ノベルス、雑誌、アンソロジー、同人誌、乙女ゲームのファンブック、男性声優さんの写真集等、隙のないラインナップ! スタッフオススメ作品やオススメフェアのコーナー等も随時展開しているので、足を運ぶたび新たな発見があるかも!?」ですって!?
へ、へぇ~、いわゆる女性向けコーナーってやつですわね。ワタクシ、こういうジャンルにはぜーんぜん明るくないのでよくわからないんですけど、半裸の殿方が抱き合ってますわ。と、とてもいかがわしいですの。純情たる乙女のワタクシにはよくわからないジャンルでして……は? 私の激推しサークルの新刊委託本、もう置いてあるの!?!?!? それはダメでしょ、マズいでしょっ! こんなの買うしかないじゃないっ! ちょっと待って、この奥、R-18コーナーじゃん。見ないわけにはいかないっしょっ! 「やめなさいっ!お嬢様!人に戻れなくなる!」ですって? 私はどうなっていい! お財布がどうなったっていい! だけど、せめて推しのBL同人誌だけは絶対買う!
――アニメイトお嬢様は死んだ。
RTA走者として死んだ。
良質なBL同人誌を前に素通りする自分に耐えられなかったのだ。お嬢は学生時代から数多のBL同人誌を買い、描いていた。そんな彼女にとってBLとは人生そのもの。BLという良質なエサを前に素通りできるような人ではないのだ。結局、お嬢が「現世」に戻ってくるのは二時間後のことだった。カゴいっぱい詰まったBL同人誌と共に。嗚呼、南無阿弥陀仏。