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おかえりを言いたい
おかえりを言いたくて待っていた
「ただいま」
「おかえりなさいませ、リオ様」
今日は任務があって家に帰るのが遅くなった。それでも起きて待っていてくれたエルが愛おしい。
「エル、ありがとう」
「うふふ。いえ、リオ様の為ですもの」
エルを優しく抱きしめる。ああ、本当に。エルと結婚できて良かった。
「リシェは寝たかな?」
「あ、いえ…それが…パパを待つって聞かなくて、さっきまでずっと起きて待っていて」
「あらま。待たせてしまったか」
「今は眠気に負けて寝てしまいましたが…」
「そうか…」
リシェの部屋に入る。リシェはすやすやと眠っていた。寝顔すら愛おしい。
「ただいま、リシェ」
「ううん…」
「ふふ、おやすみ」
穏やかに眠るリシェの頭をぐりぐりと撫で付ける。
「エル。俺はリシェとエルと家族になれて本当に良かった」
「リオ様…私もです。きっと、リシェにとってもとても良いことだったと思います」
「…リシェに」
「はい」
「兄弟を、作ってあげないか?」
「…!」
頬を染めてこくりと頷くエルは可愛らしい。今日は眠れそうにないな。
でも子供は寝落ち