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ストレんじねス。 〜チートなアイツの怪異事件簿〜  作者: スネオメガネ
業《ごう》の章

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卑弥呼の日本誕生

 ……と、まあ、これがアイツの過去話(かこばな)


 正直、ウチもアイツに聞いた話だから、どこまで本当かは、わかんないんだけどね、みたいな?

 でも、フートは爆ぜても、生き残ったフート人はいたんじゃないかな? だって、ピラミッドとか水晶ドクロとか……、各地で見つかってるオーパーツとか……。 ね? フートの生き残りが一枚噛んでると思わない?


 おっとっと! またまた話が逸れちゃった。


 で、ウチ、アイツの過去話(かこばな)聞いて、ちょっち気になっちゃったんよね。


 アイツが、この国に来た理由。


 フートの欠片を探して、彷徨うのはいいのよ。 でもさ、わざわざ魏からの帰りの便で持衰と入れ替わってるくらいよ?


 フラフラしてるって割には、何か目的がないとやらなくない? そんなこと。


 だから、ウチは、アイツがこの国にフートの欠片があるって、確証してるんじゃないかと思って、霊視、遠視に未来視と、あらゆる術を駆使して、探ったわけ。


 他にも、アイツの話の中で、腑に落ちないところもあったし……


 ま、そん頃は、少しでもアイツの力になれたら、なんていじらしいこと考えてたんよね。


 ……で、気付いた。


 フートの欠片の中で、一番大きい二つが、この国の土台になってるってことに……


 要は、爆ぜて飛んでった欠片の中で、巨大なミミズ? ヘビ? とにかくそういうウニョンとした奴……今は龍って呼んでるけど……が絡み合って、この地に落ちたわけ。


 で、眠りに着いた。


 ウチらのご先祖さま達は、そこに住んじゃった。 お、いいとこあるじゃんよ? みたいな感じ?


 ショックだったよ。


 だって、アイツのフートを復活させたいって話的に、ウチらの土台になってる龍を解放しなきゃって話につながるじゃん? そしたら、ウチらどうなる? あっという間に海の藻屑じゃん? 流石のウチも、"ひでぶ"なわけよ。


 だから、ウチはアイツを説得しようとしたんよ。


 その日も月が綺麗な晩だった。


 その頃は、アイツも結構、未来視出来るようになってたからさ。 わかってたんだろうね。 ウチがその話をするって……


 なんか、諦めたような……困ったような顔して、いつもの場所に来たんさ。


「……何を言われても、計画を変える気はないよ」


 アイツは、開口一番、そう言ったわけ。


 信じられる? いきなりそんなん言われたら、ウチもムッキムキのムッキーになっちゃうじゃん?


 はぁ? 最初から、ウチらを滅ぼそうって思ってたん? 舐めんなっ!って。


「いやいや、最初はそうだったんだけどね。 君たちさえよければ、フートを再興させて、そこで三人で暮らさないか? うん。 いい提案だよね。 ほら、壱与と私で、子供をいっぱい作ってさ。 きっと君も、その子たちに囲まれて、幸せな余生を送れるよ」


 言うに事欠いて、まだ12歳になったはっかの壱与を"俺の嫁"宣言するし、ウチを乳母かなんかみたいに言うし、おまけに壱与までちょっち頬を赤らめてるしさ。


 あぁ、壱与、あんたを責めてるわけじゃないから。


 で、あまりの提案に呆気に取られて、口を開けないでいるウチに、さらに畳み掛けるわけ。


「そうだっ! 君たちにも『転生の秘術』を教えるから、三人でずっとフートの行く末を見守ろうよ。 そうだ、それがいいに決まってる。 なんせ、君たちは、私が転生を始めてから、初めての"同じ境地"にいる仲間なんだから」


 残念ながら、ウチは、自力でアイツの『転生の秘術』を読み取って、自分に施してたんよね。 ま、成功するかは死んでみないとわかんないから、後は結果をごろうじろってとこだったんだけどね。


 だから、それは交渉のカードとして、成り立たないわけ。


「……やっぱりダメか」


 で、何も答えないウチに、アイツは寂しそうに言ったの。


「……君も、あの神官たちと同じように、私を裏切るんだね」


 裏切る?

 どっちがっ!?

 しかも、適当ぶっこいて、自分たちは家族と安全圏に逃げようとした神官たちとウチを同列に見るとか、まじないしっ!


 そう思って、地団駄踏んでたら、アイツは諦めたように笑って、背を向けて去ってったの……


 翌朝、ウチは弟を呼び付けて、二つ指示を出した。


 一つは、魏に使いを出すこと。

 狗奴との戦いを報告して、ウチが居なくなっても、全面サポートよろ~みたいな?


 まぁ、ウチも80歳近かったから、アイツとバトルになったら、死ぬんだろうなってなってね。


 ……ん? なに? この空気?


 え? もしかして、当時のウチをピチピチの女子高生で脳内再生してた感じ?


 えへへ、残念! おばあちゃんでしたw


 おっと、話に戻るね。


 で、もう一つが、任務を終えて解放された持衰を一同に集めて、処刑すること。 当然、そこにはウチも立ち会うって。


 それで終わってくれればいいけど、たぶんムリだろうなって、まぁ、ダメ元? みたいな。


 で、集められた持衰たちを見たら、案の定、アイツいないのよ。

 ウチは、力を温存したかったから、壱与に居場所を占わせたら、よりによって戦争真っ只中の狗奴に逃げ込んでるわけ。 まじ、性格悪いし!


 とりま、集まった持衰全員の処刑を命じて、ウチは、しゃあなしで男衆を数人護衛につれて、狗奴に乗り込んだわけ。 うちの男衆は、呪術刺青パワーでドーピングムキムキだから、狗奴くらい余裕っしょ?って。


 ……そんなこんなであれこれそれで、まぁ、結果としては、アイツも死んだけど、ウチも死んじゃった、みたいな? ついでに、護衛の男衆もみんな死んじゃったし、狗奴も消滅しちゃった……。 てへ。


 まさか、狗奴全体に呪の結界貼られてるとは、こっちも思ってないじゃんねぇ?


 で、ウチは『転生の秘術』で、とある別の集落に無事、転生したの。


 自分で動けるまで成長したところで、そこの集落の長と接触して、アドバイザーになったわけ。 ついでに、大陸の権力者の中で、波長の合う奴を探して、夢を通して神託を与えた。


 おいでやす、日本! って


 全部、この国の土台になってる龍を完全に封印するために……


 だって、絶対、大陸の鉄とか馬とかいた方が、全国に要石を設置するのに、都合がいいからね。


 集落を国まで引き上げて、名前を『ヤマト国』にしたわけ。 これは、『ヤマ』が大陸の方じゃ上手く伝わんなくて、ヤマト?って言われた教訓を元にしたのよね。『ヤマト国』やったら、言いやすいやろ? みたいな?


 で、どんどん周りの集落を吸収して、要石を設置してったの。


 途中で、こっそり一人で『ヤマ』に行って、壱与にも協力を求めた。 お互い、離れてても通信出来るようにって、呪を施した銅鏡を使って……


 壱与も、いつの間にか『ヤマ』の女王になってたから、そっからはかなりスムーズだったわけ。


 周りの集落からしたら、たまったもんじゃないよね。 『ヤマ』と『ヤマト国』から、ダブルで攻撃されるんだから。 二倍二倍ってなもんよ!


 策士って呼んでくれても構わなくってよ?


 で、神託でこっち来た渡来人とヤマト国の大君との間に生まれた子を、血で縛って『生きる要石』にしたの。 それで、簡単に死なないように、簡単に殺されないように、天皇とかいう御大層な称号付けて、神格化してあげて、ようやく子々孫々まで永劫に続く龍の封印システムの構築に成功したってわけ。


 まぁ、途中、かなり強引な手を使ったから、元々、そこに住んでた人らからは、だいぶ恨みを買ったけど……


 もちろん、転生したラ・ムーも、ちょくちょく邪魔してきたから、一筋縄ではいかなかったけど……


 けど、まぁなんとか、やりきったわけ。 えっへん!


 でも、アイツもしつこいもんだからさ……。 それに対抗するために、壱与を始めとする『ヤマ』の住人たちを中心に、組織を作ったんよ。


 結果、壱与まで転生の輪に巻き込んじゃったけど……


 で、『ヤマ』、邪馬台国の『邪馬』、今の野山の『山』って、組織の名前は変わっていったけど、目的は変わらないわけ。


 アイツの企む、二匹の龍の解放を邪魔し続けて、影から日本を守る……みたいな?

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