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嘘から始まる  作者: 菊花
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カテリーナと近況報告をしながらお茶を飲んでいると、部屋の扉がノックされた。


「お嬢様、おくつろぎの所申し訳ありません。」

「どうしたの?」

「シュナウザー男爵家のご子息がお嬢様と面会をと…。」

「えっ!?」

「旦那様も奥方様も今はお出かけで…如何致しましょう?」

「今は来客中だとお断りして?」

「そう申し上げたのですが、会わせろの一点張りで…。」

「そんな…。」



そうこうしているうちに外が騒がしくなってくる。

粗野な彼のことだ、このままだと使用人たちに何をするかわかったものではない。

それにもしカテリーナがいることを知られたら…。


「お嬢様…。」

「分かったわ。行きます。1階の応接室に通して。」

「リリー!」

「大丈夫よ。護衛も連れていくから。リーナは絶対来ないでね?」


仕方なしに部屋から応接室へ向かう。

護衛を、と頼むと辺境警備のなかから腕の立つ者を2名付けてくれた。


「お嬢様、くれぐれもお気をつけ下さい。」

「ええ。あなたたちもごめんなさいね。」

「いいえ!お嬢様を守ることも役目でありますから。」

「ありがとう。」




※※※※※※※※※※※※※※※※




「ひさしぶりなぁ。リリアンナ。」

「お久しぶりです。シュナウザー様。今日はどういったご要件で?」

「どういったもこういったもないなぁ。リリー、男連れで帰って来たって?」

「愛称で呼ぶのはやめてくださいませ。」

「なんでだよ!俺はお前の婚約者だろ?」

「正式に婚約していません。あくまで縁談を提案されただけです。」

「どうせ決まるんだから変わんねーだろ?」

「変わります。私にはあなたと婚約する意思はありません。」

「お前の一存でどうにかなる話じゃないんだよ!お前んとこの村人が何やったか知らねーのか?」

「その件は今調査中と」


突然ガンっと大きな音が鳴り、ビクリと震える。

どうやらシュナウザーがテーブルを蹴ったようだった。


「ごちゃごちゃうるせぇんだよ…お前は大人しく俺のものになればいいんだよっ!」

「きゃあっ!」


がしっと乱暴に腕を掴まれる。

すぐさま護衛が間に入り制止をした。


「おやめ下さい。シュナウザー様。」

「あぁ?誰に物を言ってんだ?」

「シュナウザー様。お嬢様をお離しください。」

「うるせー!護衛ごときが!俺に命令するな!」


さらに腕を引かれ強引に顔を掴まれ無理やり上に向かされる。


「痛いっ!離してっ!」

「お嬢様っ!」

「離してったらっ!」

「ちっ!大人しくしろよっ!」


必死に抵抗していると、手が振り上げられた。

叩かれる!とぎゅっと目をつぶった瞬間、シュナウザーが吹っ飛んでいった。



「リリーに気安くさわるな。」

「レイ…?」

「…大丈夫だったか?」


気が付くとレイナードの腕の中に抱えられていた。

どうやら彼がシュナウザーを殴り飛ばしたようで、倒れ込んだ所を護衛が押さつけていた。



「レイっ!」

「悪い、ちょっと遅くなった。ごめんな。」






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