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少女ときどきジョッキー  作者: モリタカヒデ
第1部 少女ときどきジョッキー
1/222

1 スタート

初投稿です。拙い作品ですが、どうぞよろしくお願いいたします。

 まだ寒さの残る3月の初め。春の競馬シーズンの幕開けを告げる熱戦が、今日も各地の競馬場で開催されている。

 

 ここは中京競馬場。トップ騎手が集まる中山、阪神の両競馬場の裏で、中堅・若手の騎手がしのぎを削る、いわゆるローカル開催の競馬場である。


 これから始まるのは、3歳未勝利戦。デビューしたものの、まだ勝ち上がることが出来ない馬たちが競うレース。そんな小さな舞台から、この物語は始まる。



 ダートコース1800メートルのこのレース。特にトラブルもなく全馬が枠入りを終え、ゲートが開く。最内の1枠1番から、人気薄のボンヴォヤージュが好スタートを切って飛び出す。この馬が逃げる、と思われた所で、二の足を使って追って来た1番人気のカットビキングが強引に並びかけてきた。

 この2頭は、共に逃げ馬である。一口に逃げ馬と言ってもいろんな馬がいるが、この両者はどちらも先頭で走らないとやる気をなくす、〝ハナにこだわる”タイプである。


 邪魔だ、どけどけと言わんばかりに、カットビキングの鞍上がガシガシと手綱をしごく。それに対してボンヴォヤージュの方も、全く譲る気配なく応戦する。

 2頭でやり合った結果、1000メートル通過は59秒5。このクラスとしては異常なハイペースとなった。両者はなすすべもなく後続に捕まり、馬群に沈んでレースは終わった。


 所変わって検量室。レースを終えた騎手たちが続々と引き揚げて来る。


「てめえ!ふざけんなよ!?コラァ!」

 カットビキングの騎手、古畑(ふるはた) 耕三(こうぞう)がまくし立てる。彼はローカル競馬場を主戦場として勝ち星を量産しており、「ローカルの帝王」の異名を持つ、言わばここのヌシである40歳。この恫喝に対し、帰ってきたばかりのボンヴォヤージュの騎手は、ヘルメットとゴーグルを脱ぎ、キッと彼を睨み付けた。


 そこにいたのは、あどけなさの残る黒髪ショートヘアの小柄な少女。彼女こそ、この物語の主人公、藤平(ふじひら) (ゆう)。このレースが初騎乗の新人ジョッキーである。

 



 


 

 


 

 

今話は序章なので短いです。不評でなければ細々と続けて行きたいと思いますので、どうぞよろしく。

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