第14話 モトムラッキー、アンラッキー
更新頻度が少なくなってしまいすみません!!
ちゃんとしっかり書いていきますので、これからもよろしくお願いします!!
そう言って門番は旅人を蹴り飛ばした。
そして俺達の順番が来たーーー
ーーーーーーーーーーー
蹴り飛ばされた旅人風の男は列の横へと倒れ、蹴られた箇所を抑えながら蹲っていた。
その男を心配そうに見ていると、門番が話かけてきた。
『ーおい。』
『おい、そこのお前。次はお前の番だ。とっとと通行料を出せ!!』
門番は高圧的に言ってくる。
そして俺は答えた。
「あの、俺らも現金を持っていないんです。魔石ならあるので、こちらにある程度の魔石を担保として預けて、街で現金化してから改めて支払いに来たいと思ってるんですが、それじゃあダメですか??」
『貴様、さっきのくだりを見ていなかったのか?通行料を今ここで払えないのなら、お前もここは通れない。わかったらとっとと列を外れろ。』
だろうね。そう来ると思ったよ。
でもここまで来て、こんな門番のせいで街に入れないのは納得がいかない。
それに、通貨が街でしか流通していない、この世界の入国(入街?)システムの中で、こういったケースも多々あるはずだし、その場合の、なんらかの救済措置だってあるはずだ。
それの説明もなく無理矢理追い返すだけでなく、あまつさえ旅人を蹴飛ばすなんて、こいつには門番をやる資格がない。
俺はこのモトムという門番の態度に少し腹が立っていた。
「通行料の倍額分の魔石を担保にしてもいいので、何とかなりませんか?僕が街で商人に魔石を売ることによって、きっと商人は利益を得るでしょう。あなたが商人の不利益になる判断を独断でしてもいいのですか?」
俺達が街で魔石の取引をする事で、少なからず街の魔石を扱っている商人の利益には繋がる。
間違ってはいないはずだ。
『うるさい!!貴様は何様のつもりだ!!痛い目にあいたくなかったら……』
門番はそう言いながら俺の隣のリリムの方を見て言葉を止めた。
そして、なにやら、いやらしい表情を浮かべながら言葉を言い換える。
『わかった。そこまで言うのなら、通してやろう。』
心の底から醜悪な顔をしながら言葉を続ける。
『ただし、そこの女を俺に預けろ。
貴様が金を用意できるまで、この俺がたっぷり可愛がってやる。』
モトムはそういうと、リリムの左腕を無理矢理掴んで引っ張る。
俺は危機を感じて、とっさに腕を掴んだ……
俺が掴んだのはモトムの腕ではなくリリムの右腕だった……
何故リリムの右腕を掴んだかというと、リリムの左腕を掴んだモトムの腕を、今まさに引きちぎろうと動いた所だったからだ。
とはいってもリリムには怒りの表情は一切なく、手についた虫をはらう程度のつもりだったのだろう。
一方、俺の怒りは既に臨界点を超えていた。
『貴様、貴様今何をしようとしたー!!』
モトムは大声で怒鳴りだす。こめかみに浮かんだ血管は今にも破れそうな程、浮き出している。
そして俺はあえて低姿勢で答える。
「いやー、モトムさん。実はこの子は高貴な方のお嬢様でして、今までいきなり、腕を掴まれた事など、無かったせいで反射的に手が動いてしまったのでしょう。すみません。」
『何を言っている!貴様のようなガキの従者しか連れずに高貴な方が旅をされる筈がないだろ!!』
だろうね。普通そう思いますよね。
でも、絶対に違うとも言いきれない。そんな言葉の種を俺はモトムに植え付けた。
実際、憤慨している表情の中に少しだけ不安の色も見え隠れしている。
そして、俺はモトムに対し、耳元で甘味な言葉を投げかける。
「実は今回は、訳あってお忍びの旅になっているのですが、さっきの件を見過ごして頂けるなら、この子のお父上から預かって来ている宝石を貴方に一つ差し上げてもいいと思っています。」
『なにっ?』
「その宝石を売れば10年は遊んで暮らせる程の価値のある物です。ですが、ここで渡してしまうと、他の門番の方の目もありますので、少し一緒に来てもらえませんか??」
『そういうのなら、特別に考えてやらん事もない。』
『おい新人、お前はここを見張っていろ。』
門番にそう言い放ち、モトムは俺についてくる。
「リリム、少し行ってくるからそこで待っててくれ。」
『ほほーい。』
リリムは列の先頭で地べたに座りながら空を眺めていた。
もし、本当に貴族などの偉い人間の令嬢だったとしたら、自分のした無礼の責任を取らされて仕事を解雇、最悪は縛り首にされるまである。
なのに、相手は逆に許しを乞ってきていて、さらにお詫びに宝石までくれると言っているのだ。
ついて行かない手はない。
自分の幸運に喜びながら、だが、表情には出さずにあくまでも自分が上であるような態度でついていく。
城壁沿いに五分ほど歩き、門の列も見えなくなった頃ーー
『おい貴様、どこまで歩かせるつもりだ。もしその宝石とやらが、しょうもない物だったら承知せんぞ!』
モトムは相変わらずの悪態をつく
「もうそろそろこの辺で良いでしょう。」
そういうと俺はモトムの方へと向き直り
「実は見せたかったのはこれなんですが……」
といい。GODスキル【魔王化】を発動させる。
俺を包む魔のオーラが爆発的な速度で上昇していく。
するとモトムの顔がみるみるうちに青くなり、そのまま下にへたり込む。
上顎と下顎が震え、カチカチと音を立てており。そして股間からは尿がだだ漏れになっていた。ーー恐慌状態だ。
そして俺はゆっくりと口を開く
「おい。お前ーー」
俺が声をかけるとモトムの目からは涙が流れはじめた
生物の本能が絶対的な死を告げているのだろう
「聞いているのか?答えなければ今すぐ殺す。」
この言葉を理解した瞬間、モトムの髪の毛は真白へと変わり、声にならない声を絞り出す。
『は………はい。きききき聞いていまっ』
「だいぶいい態度になったな。俺が今、お前の死を願った瞬間にお前の生は消え去る。これは理解しているか?」
『は、はい』
「よろしい。それじゃあ今からお前に対して幾つか要望があるので、俺の機嫌を損ねないことだ。」
モトムは自分の失禁した尿に顔を擦り付けながらその場でひれ伏す。
「では言っていくぞ。」
「リリム……あの子に対して、いやらしい目をしたり、乱暴しようとしたら、俺は即座にお前を殺す。」
「そして、俺達を門の中に入れろ。どんな理由があってもだ、入れなかった場合はお前を殺す。」
「俺達が街にいる間は全力でサポートしろ、使えなければ、すぐに殺す。」
「俺のこの力を誰かに話した瞬間にお前を殺す。」
「次にまた誰かに横柄な態度をとっていたと俺が知った瞬間にお前を殺す。」
俺がわかったかと言うと『はい!!』と言うと、顔を泥と小便に塗れさせながらモトムは何度も何度地面に頭を叩きつけた。
「ついでに、さっきお前が蹴飛ばしてた旅人も中に入れてやれ」
これも了解したようだ。
ーーーーーーーーーーーーーーー
服の裾で自分の顔の泥を拭かせて、俺達は列へと戻る。
モトムの髪は白くなり、股間は濡れて、顔も汚れている。
これで何も無かったという方が無理なのだが、さてどうなるか……
門の所につくと、他の門番がモトムの異変に気づき、俺に怒鳴りだす。
『き、貴様ー!!モトムさんに何をしたのだ!!』
するとモトムは、そっと手をあげて、その門番を制止する。
『モ、モトムさん!?』
『いいんだ……。実はこの御仁はな、他国の要人の方でな。私自らがの先程の無礼を詫びたのだ。この御方はそれ程の地位の方なのだ。俺の髪が白くなる程の……。
だからお前もこの事は誰にも話さなくていい。それが俺にとってもお前にとっても一番いいんだ。
そして、この方々を速やかにお通しするんだ。』
モトムは時々こちらを怯えた目で見ながら話を続ける。
『俺はこの方々にこの街を案内しなければならないので早退する。他のものには体調不良とでも伝えておいてくれ。』
そういうとモトムは、先程蹴飛ばした旅人を列の中から見つけ出し街へ通し。
そして俺達も門を通っていくーー
ブックマークや評価をしてくれた読者の皆様のおかげで少しずつですが、ポイントも上がって来ました。そして全ての読者の皆様のおかげ第2章にも入ることが出来ました。本当にありがとうございます!
これからも頑張ります!!
@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@
評価をしてくださる方は、下にある【ポイント評価】を押して評価していただけると嬉しいです(*´ω`人)
@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@