オープニング:クレジット
これは、社会の裏で行われた、不可思議で残酷なゲームのお話。どうか、可哀想な遊戯者達の生死をどうか見届けてあげてください。退屈はしないと約束いたしましょう。なぜなら、このゲームに主人公など存在しないのですから―
「……?」
「ここは……?」
辺りを見渡すと、そこには数名の美男美女。そして、目の前には大きなダイニングテーブル。上には豪華なシャンデリアがある。その光景には困惑の者、何も考えていなさそうな者と様々な反応が見られた。遊戯者達が目を覚ましました。
―さあ、ゲームの幕開けです―
「おはようございます、遊戯者の皆様」
後ろから突然声がした。遊戯者達は振り向く。そこには、黒の大きなシルクハットに黒のコートに黒いシャツとどこまでも黒一色の人間…いや存在というのが適切だろうか。顔は黒い霧のようなものに覆われ、大きなコートの下には足がない。
「私は今回GMを務めさせていただく、黒影と申します。皆様には今からゲームをしていただきます」
ゲーム…?私はそう思ったが、どうしてか周りの人達は顔色一つ変えない。
「皆様にプレイしていただくゲームの内容は、簡単に言えば人狼ゲームです。2つの陣営に分かれ、話し合いで議論を進め、人狼を見つけるというゲームですね」
それくらいは、私も知っている。中学時代に友達と何度かしたことがある。
「概ねは通常の人狼ゲームと違いはありません。特異な点とすれば、敗北した陣営は死にます」
「……!」
私はいわゆるこれがデスゲームなのだと理解した。そして、黒影は説明を続ける。
「また、皆様には各自部屋がございます。その部屋には、午後10時には入っておき、午前7時までは部屋を出ないよう、お願い致します」
「ルールを違反した遊戯者には、天罰が課されますのでご注意ください」
「あ、あの…」
私は恐る恐る聞いた。そのため、声が少し上ずってしまった。少し恥ずかしい。
「天罰ってどういう内容なのでしょうか…?」
黒影はこちらを見つめたあと声を発した。
「今からしっかり説明致しますので、焦る必要はございませんよ」
まるで、丁寧な執事のようだった。その声は優しさを帯びているようにも感じ、恐怖を帯びているようにも感じた。そして、黒影は続ける。
「天罰とは、その名の通りに裁きを下され、絶命致します。この天罰は、ルールを違反した場合、そして私が与えるべきだと思った者に与えられます」
なんて自分勝手なものだろう。あいた口がふさがらない。そう思った矢先、黒影は継ぎ足す。
「とはいいましても、ルールの穴をつき、それが相応しくないと判断した場合くらいですのでご安心を」
相応しくない…?どういうことなのだろうか。
「もしも、ルールの穴を見つけた場合、この私黒影に聞いてくだされば、使用してもよいかお教えします」
「勿論、私は嘘をつきません」
ということは、ルールの穴がある?それが鍵になるのかもしれない。ルールはしっかり覚えとこうと思った。しかし、黒影の説明は長かった。私は途中で諦めかけた。そして要約終わりが訪れる。
「以上でございます。何か質問はございますでしょうか?」
そうして、1人の黒髪の美青年が手をあげ、質問をした。
「プレイ歴が浅そうな者がいる。これは運営のミスではないだろうな?」
「勿論でございます。詳しくは私も知り得ませんが、ミスではないことは確かです」
「そうか」
プレイ歴が浅い…
私…?私のことなのかな?確かに周りの人達は慣れているようにも見えた。そんな事を考えているうちに部屋に戻るように言われる。どうやら、役職は部屋の中の端末で見れるらしい。ゲームの開始は、明日の午前7時から。そうして、プレイヤーは各自部屋へと入っていった。
部屋に入ると、ベッドやタンス、机と椅子などの一般的な家具があり、ホテルの一室のようだった。私の役職は…
私は机の上に置かれた端末を操作し、確認した。表示されたのは― "殺人鬼"
最初のお話をご覧いただきありがとうございます。お話のほうはいかがだったでしょうか?1話にしてプレイヤー1人の名前もでないということをお許しください。世界観は不可思議のなかでの残酷さ…と言った感じでしょうか。イメージとしては不思議の国のアリスが近いかもしれません。ルールについては、表記していないのも多くあります。役職について、行動手順等々…これは、プレイヤー達と一緒に判明させていきましょう。この作品では、ゲームの観察者、そしてプレイヤーとしての心情や雰囲気を感じさせたいと考えております。それでは、次のゲームでお会いしましょう。




