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森奥の深淵  作者: 初唯
第二章 導かれし者たちと抗いし者たち
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③-9 ぴなまる死す!

死期という名の化け狐の前足がリオンを攻撃する。その先には鋭利な爪が光りリオンを切り裂こうと迫る。

その殺意を俊敏にかわすと別の足が攻撃してくる。そして二つの前足をかわしても今度は生々しく血を欲した口を開いた牙がリオンを嚙み砕こうと突っ込んでくる。

リオンは必至でよけながら反撃の突破口を探ろうと化け狐の攻撃の癖を把握しようと探った。


「なかなか器用に逃げるではないか!誉めてやろう少年、ネズミよりもすばしこくカラスよりも賢い!なかなか楽しませてくれる」死期は楽しそうに笑った。

「せいぜい油断しててくれ」リオンは避けながらもどんどんと壁際に追い詰められていってるのを理解していた。(俺の腕は2本しかない、そして剣は1本。だがあいつは俺より体は大きく尖った爪の足は4本と牙の生えた顎がある。えらい不利な状況だな)


「そろそろ追い詰めたぞ!もうチョコマカ逃げれまい」死期は右前足を壁へと追い詰めたリオンに放った!

それをぎりぎりでかわしリオンは飛び跳ね前転し狐の下をくぐり左後ろ足に剣で切りかかった!

「うぎゃあ!」左足をやられ死期は転んだ。


「まずは一本減らしたぜ。これで動きも鈍って楽になるだろう」リオンはしてやったりの笑顔を見せた。


「小癪な!」死期はリオンを睨むと背中の毛を逆立たせメラメラと炎を出しリオンに向け攻撃した。

「おい!稲妻だけじゃねえのかよ。炎まで使えるのか」リオンは叫んだ。

「狐が狐火を放つのは当たり前だろう。いままでどんな狐を見てきたんだお前は」化け狐は答える。


離れて見ていたルク王子はリオンに向かって言った。

「急ぐんだ勇者リオン!もうすぐ君にかけたバフ効果が切れてしまう。時間がない!」

「だったらお前も一緒に戦ってくれよ!」リオンは文句を言った。

「それは出来ない。これは勇者である君一人で倒し伝説の幕開けにしてもらわないと困る。」

「それでも兄弟子か!!」

「人類最強のムルガメース門下で魔王アルゴモーゼを倒すのだろう!こんなとこで弱音を吐くな。君の剣は聖女の加護とともにこの国の人々に希望を与える存在に成長してくれないと困るのだ!」

「お前は鬼か!」

リオンはルクこそが魔王なんじゃないかと思えてきた。

「魔王に負けないためにはこちらも鬼にでもならないとダメなんだ。民たちが平穏に暮らすためには誰かが苦しんだり汚れ役をしなくちゃいけないのさ。汚れ役は俺がなるから、君は苦しい役を引き受けてくれ」


狐火が飛んでくる。それを避けると爪が切り裂きに来る。さらに鋭い牙が襲い掛かってくる。

それを必死にかわし反撃の機会を狙うリオン。

離れたところで心なしかニヤニヤ笑っているかに見える腹黒王子。

「狐倒したらあいつ絶対ぶんなぐってやる!王子だろうと知ったことか」

「ククク。お前が我を倒せるかな」リオンに死期がどんどん迫っていく…。


…死闘を繰り広げている彼らが魔石から関心が離れているのを見切ったクノイチ見習いの ぴなまるは今がチャンスだと直感で理解した。抜き足差し足忍び足で魔石のところへ行き懐に入れてコソコソとその場から去ろうとした。

(やったぁぁぁぁぁ~( *´艸`) これでわたしも郷に帰れば一人前のクノイチ★wwwww ぴなもやるときはやるのです さすがワタシ さすぴなです(≧▽≦))


 だが、そんな姑息な気配に死期が気が付かないはずがなかった。なにしろ死期はこの魔石を守るためにここに居る大精霊なのだから。

即座に死期は、ぴなまるの方を向くと稲妻を投下した。

1.21ジゴワットの雷が直撃し魔石泥棒は身動きできなくなりその場に倒れた。

死期は容赦せん。


ぴなまる死す!


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