プロローグ 女子高生スナイパー異世界に立つ。
父は猟師だった。私は幼い頃から自然と共に生きてきた。
国際スナイパー大会で、優勝を果たした女子高生の篠塚時雨は、歩道を歩いていると、瞬きをした瞬間に目の前の景色が変わった。
あれ!ここはどこ?私は歩道を歩いていたはず。
目の前はなにもない平地が広がっていた。
「どこここ!?」
空気が澄んでいて綺麗。
視界を邪魔するものがなにもない。
それにしても、先ほどから目の前に表示されいるメニューってなに?
あ、ヘルプという項目を見つけた。試しに表示されている空間をクリックしてみる。するとピコーンと小さく音が鳴った。
音に驚いていると。
「お呼びですか?」
突然、白い煙とともに角の生えた白馬が目の前に現れて、言葉を口にする。
まさかと思うが、伝説上の生物であるユニコーンではないだろうか?
「あなたはなに?どうして馬が喋っているの?」
「私はヘルプ機能の仲介馬です。女神様の権能で人の言葉を理解し、話すことができます。貴女がお困りのようなので馳せ参じました」
今、女神って言った!この世界は女神が管理しているってこと?
「ここはどこ?」
「ここは異世界です。場所は、オルムス国から北東へ十キロの荒野です」
異世界?オルムス国、初めて聞く名前だ。
「このレベルとステータスってなに?」
「この世界には、レベルという分かりやすい強さの指標と、ステータスの割り振りをおこなうことで自らを強化できます」
「じゃあ、このスキルは?」
「そうですね…貴女のいた世界で例えるなら、資格取得とあまり変わりません。資格を得るために勉強や鍛練を積み、スキルを得ることができます」
なるほどっと納得しながら、なぜ私はこの世界にいるのか?まったく理解ができない。