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side 騎士団の男

優秀な兄たちを持つ伯爵家の4男であるその男は、上昇志向の強い男だった。


自身も努力家で剣の才があり、騎士団の兵士としての業績を重ね、ついに小隊の副隊長を務めるまでになった。

男はまだ20代前半で、更なる昇進を目指していた。


(爵位も欲しいが、まずは中隊の隊長を目指そう。)


着々と実績を上げた男は、すぐに小隊の隊長になった。

そして、定期的な魔物の間引きのため、王都郊外の森の深部に派遣されることになった。


魔物討伐最終日の朝、男は騎士団のお気に入りの白い馬に乗って、一人で森の中の泉に水浴びをしに行った。

男はかなりの綺麗好きだった。


そこで不思議な光景を目にした。


眩しい光が泉の上方に現れ、その光が泉に触れたと思った途端、光の中から黒目黒髪の若い女が現れた。

その女は自分に気が付くと、にっこりと微笑んだ。


(まるで、女神のようだ。)


女は微笑みながら、泉の上をゆっくりと自分に向かって歩いてきた。


「ここは、どこかしら?」


「あ、エスクリート王国の王都郊外にある、青い森であります。」


「聞いたことが無い国…。やはり、ここは私が住んでいた国とは異なる、異世界なのかしら?」


そう言って、片手を顎に添えながら、首を傾げた。


(「異世界の聖女」様だ!俺はなんて運がいいんだ。これを報告すれば、一気に・・・!)


先程男が見た光景は、以前見たことのある一枚の宗教画のようで、男はマリアが他国からの噂で聞く、異世界から転移してきた聖女だと思い込んだ。

これは自分への神様のご褒美だと考え、強欲で俺様の第一王子に知らせれば、大きな褒美が貰えるとほくそ笑んだ。

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