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子供たちの秘密基地 5

『子供?』


姿を現したエレノアに、カーロは戸惑いを隠せなかった。


タクトとその友人たちが身に着けていた、強い魔力を纏った何か。


自分のテリトリーに近付いてくる、大きな2つの魔力の塊。


そのひとつが、こんなに小さな、タクトと同じくらいの子供だなどと、カーロは想像すらしていなかった。


タクトら子供たちから自分たち魔物を排除するために、《《自分を狩りに来た》》戦いに熟練した大人だと思っていた。

タクトたちのために、このテリトリーを守るために、ここに住むすべての仲間のために、争うことが嫌いなカーロではあったが、戦うことを覚悟していたのだ。


それが、目の前に現れた侵入者が、こんなに小さな子供だとは。


驚くカーロを他所に、エレノアが口を開く。


「驚かしてしまったのなら、ごめんなさい。知りたいことがあって、あなたとお話がしてみたくて、タクトたちに私が祈りを込めたお守りを持たせたの。少し私とお話してくれませんか?私がここに来たことは、タクトたちには秘密です。この楽園にもあなたたちにも、何もする気はありません。ただ、知りたいことがあって、来たの。」


『・・勝手に話すがいい。俺が何を言っても、何をしても、お前には絶対に勝てぬ。俺はお前に従うしかない。』


「そんな、そんな悲しいこと言わないでください。私はあなたを攻撃したりしません。タクトは私にとっても大事な人《領民》だもの。そうですね・・可能であれば、私もあなたのお友達の一人に加えて貰えると嬉しいです。」


『・・カーロだ。見ての通り、突然変異種のオーガだ。ここ楽園で暮らすようになると、魔物はすべて青くなる。』


「カーロさん。お話をする機会をくださり、ありがとうございます。私はエレノア・ベイリンガル。この近くにある辺境の地を治めているベイリンガル侯爵家の4人目の子供で唯一の女の子です。ちょっとだけ魔法が得意な、ごく普通の子供です。」


『普通の定義が分からん。いつの間に人間はそれほどに強くなった。』


「・・さぁ?」


前世の記憶があるなどとは誰にも話せないエレノアは、惚けた。


『まあいい。それで、知りたいこととはなんだ?』


冷静に丁寧に言葉を選びながら話していたエレノアであったが、胸の中は期待に膨らみ切っていて、今にも弾けてしまいそうなほどに、ドキドキしていた。


「ここの正式名称は、《《楽園》》、ではありませんよね?」


『ああ。タクトは《《僕らの秘密基地》》と読んでいるな。』


エレノアの緊張が膨れ上がる。


「それでは、《《あなたたちはなんと呼んでいる》》のですか?」


『・・・ダンジョンだ。』


呼吸の仕方を忘れたように両手で胸を抑え、口をぱくぱくしながら蹲り、全身震え出したエレノア。

何が起きたのか分からず、心配してエレノアに近付こうとするお人好しのカーロ。

カーロがエレノアに声をかけようとした途端、両手を天井に突き立てながら、エレノアが叫んだ。





「ダンジョン、キタ ━━━━(゜∀゜)━━━━!!!!!!!!!!」




至近距離でのエレノアの有り得ない程の大声に吃驚したカーロは、思わずエレノアから数百メートル離れた場所まで転移した。

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