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テディ 2

山の頂に近いところに、大きな洞穴があった。

日当たりが良く、ドラゴンの巣は洞穴の入り口近くに作られていた。

目に身体強化をかけてみると、どうやら結界が張られているらしい。


(まるでサンルームみたい。)


巣と言うよりも、部屋と言っていい作りだった。


「気持ちの良さそうな寝床ね。子育てには良い環境だわ。」


丁度ドラゴンたちは部屋の奥にある寝床から離れていて、卵が3つ見えた。


母ドラゴンは橙がかった赤。

父ドラゴンは緑がかった茶。

どうやら、火属性と風属性の番のようだ。


単細胞の次兄クリストファーが、ドラゴンを目にした途端、領兵に指示を出した。


「卵を奪うぞ!親ドラゴンは弱らせてテイム、できなければ素材にしてしまおうぞ!!」


「あ、ちょっ、クリス兄様、だめです!まずは話が通じるかどうかを・・・」


わぁぁっと、血気盛んな12人の領兵と次兄クリストファーは、洞窟に向かって走って行ってしまった。


「あ~あ、行っちゃった。なんすかあれ。いくらなんでもいい歳した大人たちがなんの戦略も立てず・・・命を無駄にしちゃだめじゃないっすか。」


(アレクス、フラグ立てないで!)


「お嬢様は私たちとここでじっとしていてくださいね。」

「そうっす。お嬢がぶっ飛んだことすると、俺らの首が飛ぶっす。」


「・・はい。()()()動かないです。」



目の前では領兵と次兄クリストファーが、自慢の魔法と剣で2頭のドラゴンに挑んでいる。

その状況は・・・よくない。


みんな、洞窟に結界が張られていることにさえ気付いていない。

結界の張られた洞穴の中で、卵たちは守られている。

親ドラゴンも、その中にいれば人間など相手にする必要などないはずなのに、彼らは洞穴から態々出てきて、人間の相手をしてくれていた。


自分たちの卵を狙う人族との戦いを、ドラゴンたちは舐めていた。

所詮、ただの人族。

これほどの魔法が使える人族に会ったのは初めてであったが、長い時を生きる彼らにとって、卵さえ無事であれば、これくらいの人族からの攻撃はいい暇つぶし、娯楽であった。


故に、自分たちに防御の結界を張ることすらせず、戦いを楽しんでいた。

多少鱗にかすり傷はつけられているが、再生能力が強い彼等ドラゴンには、痛くも痒くもなかった。










その様子を、遠くから見ている者たちがいた。


「うわぁ!なにしてくれてるんだ、あのバカ野郎ども!!」

「卵が孵ったら、黙っていなくなってくれるかもしれなかったのに!」

「あれ、ひょっとして、隣国の辺境の兵士たちじゃないのか!?」

「あー!!あいつ見たことある!ベイなんとかいう辺境の脳筋馬鹿だ!」

「不法入国して、ドラゴンを攻撃するって・・」


「「「「「あいつら、ドラゴンを怒らせて、この国を亡ぼすつもりか!!!!!」」」」」


レアメタル鉱山に住み着いてしまったドラゴンの番を監視していた、隣国の兵士たちだった。

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