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駆け出し冒険者ゼノ8 ルーゼンバーグの過去

さっき確認したら初ブクマついてやした!嬉しすぎて筆が進んだんで書いたの投下しやす!


初投稿の弊害か誤字脱字が多発しています。見つけたら何らかの方法でしらせてくだせぇ


すいやせん!言い忘れましたが土日は忙しいので毎週土日は基本投稿しやせん!すいません:;(∩´﹏`∩);:ぴえん


「今の見たかい!?多分バッシュ達を見つけたんだろうね!すごいよ!あの距離を一瞬で移動した!」


ウィットベレンは城壁の上から飛び上がり、墜落する様に市街へと降下したウェンパルカムイを見て、走りながら興奮を隠し切れずにそう言った。その顔はまるで新しい玩具を与えられた子供の様に輝いている。


「何喜んでやがるんだ!今のでみんなやられちまったかもしれねぇんだぞ!くそ野郎が!」


横を並走しながらルーゼンバーグが言う。その顔にはなんとも言えない焦りと後ろめたさが浮かんでいる。本来なら今、自分もあそこにいた筈なのだ。それが今こうしているのは自分の短慮さが招いたに他ならない。


「まぁ気持ちはわかるよ?でも焦ったってもう遅いし、君一人居なくても何も変わらないさ」


ルーゼンバーグの表情から彼が今何を考えてるかを悟ったのだろう、ウィットベレンが嫌な笑みを顔に張り付けて言う。励ましてるつもりなのかも知れないが、少なくともルーゼンバーグは嫌味としか捉えれなかった。


「うるせぇよ!つかなんでてめぇもついてきやがんだよ!」


「ははは!なんでってこれも作戦なんだよ。目的地までを部隊の隊長が先導するってね……そろそろかな?」


「あん?」


パシュ……


ウィットベレンがそう呟いた直後だった。

控えめな音が聞こえ、空に赤い光が灯る。あれは……照明弾?それを確認してウィットベレンが笑みを深める。


「さすがはヴァルガジン、僕の弟子だ」


「おい、てめぇ何を……」


「そろそろ着くよ」


ルーゼンバーグの言葉を遮り、ウィットベレンが魔銃を構える。 弾は装填済みなのか既に引き金に指がかけられて前方を見る。


直後だ。


曲がり角の通路から土煙が上がり建物が倒壊していく。するとその煙の中から数人の人影が走ってくるのを目が捉えた。ルーゼンバーグの、隊の皆だ!


「バッシュさん!」


「…ルーゼンバーグか!」


呼びかけに気づいたバッシュがこちらへと進路を変えて走ってくる。どうやらレイラさんも無事みたいだ。


「ウェンパルカムイは!?」


「ハァ…ハァ……真後ろだ!このまま照明弾が上がった位置まで連れていく!」


息を切らしながらながらバッシュが後方へと指を指す。もくもくと上がる土煙が巨大な影を中心に舞い上がっているのを見てゴクリと喉を鳴らした。


「先導するよ」


バッシュを尻目に見ながらウィットベレンが前方に魔銃を構えつつ声をかける。


「……ウィットベレン…」


苦虫を噛み潰したような表情でレイラが呟く。声にドスが効いていたのでやはり、思う所があるのだろう。だが、すぐに視線を外した。


「っ!?」


バッシュが何かに気づき背の重太刀を何も無い空間に縦一閃、振り下ろす。


ルーゼンバーグは何を!?と思ったがギャリン!と重太刀と何かがぶつかり火花が散る。その瞬間に風がふわりと髪を撫でた。自分には分からなかったが今、何かを斬ったのだというのは理解した。


「バッシュさん!今のは!」


「ウェンパルカムイの風の刃だ!見えねぇし攻撃に予備動作がねぇ!お前ら来るぞ!」


ブワッ…


ウェンパルカムイが翼を広げ、周囲に風の刃をばら撒く。


石畳を抉り、建物を倒壊させ、落ちる雨粒すら切り裂く不可視の刃、それが今、周囲を無惨に引き裂いていく。


「くそ!」


ルーゼンバーグは手に持つ大盾を前に構えて腰を沈めた。バッシュは続けて重太刀を振るって凌いでいる。レイラも同様だ。他の冒険者達も盾持ちが構えたその後ろに回る事で何とかやり過ごしている。ただ、ウィットベレンだけは静かにそのまま魔銃を構えていた。


ギャリン!と時折何かが大盾にぶつかりのを感じながらルーゼンバーグは叫ぶ。


「ウィットベレン!俺の後ろに回れ!死ぬぞ!」


だがその叫びは届かない。集中しているのか風の刃が頬を掠めてもトーン……トーンと軽く指で引き金を叩いてスコープを覗いている。


「ウィットベレン!!」


ドパン!


ルーゼンバーグが再度叫んだのとウィットベレンが引き金を弾いたのは同時だった。

彼の打ち出した弾は風の合間を縫い、カーブする様に周囲の抵抗を受けて曲がり、そしてウェンパルカムイの左目、その眼球の中心に被弾した。


ガキンッ!


だが弾は眼球に当たったのにも関わらず火花を散らせた。通常の魔術師ならこの結果に驚愕しただろうがウィットベレンにその様子はない。彼にとってこれは予想出来たからだ。そして予想出来ていたなら当然……






予備の一手も隠されている。



カッ!



弾かれた弾が突如ウェンパルカムイの目の位置で小さく、しかし強烈な閃光を伴って破裂した。


オアァァァァアァ……


控えめな咆哮と共にウェンパルカムイが体勢を崩してかぶりを振る。咆哮で一瞬怯みはしたが周囲に吹き荒れていた風の刃は止んでいた為、追撃を受けた者はいない。


「早く、長くは持たないよ」


そう言ってウィットベレンは魔銃を背中に担ぎ直すと照明弾が先程上がった方へ即座に走った。他の皆も武器を収納してその背を追う。


「ウィットベレン、さっきのは!?」


横を並走して走るバッシュが尋ねる。


「新しい弾さ。開発段階でね、詳しくは言えないけれど目くらましにはなる。多分…10秒くらいはね?」


「上等だ」


戦闘中の10秒。それは刹那を戦う冒険者にとっては永遠に等しい時間だ。開発段階だと言ったが製品化出来れば相当有用なアイテムになるだろう。


「数は?」


「かなり希少な素材を使うからね。今あるのはあと1発。一応この先にいる弟子も2発持ってる。ただ…もう通用するか分からないけどね」


「なぜだ?」


問いに、ウィットベレンは真顔になった。普段笑みを張り付かせている顔も今は眉間に皺が寄っている。


「僕の研究が正しかったら、五大竜は相当頭がいい。まず撃たせて貰えないだろうね」


ちらりと後ろを振り返る。まだ閃光弾が効いているのだろう、辺りの建物を薙ぎ倒しながら暴れ回っている。……ふむ


「鼻はさほど良くないみたいだね。こちらを検知した気配がない」


「…何を考えてる」


「大した事じゃない。それより集中しなよ。どうやらお目覚めみたいだ」


バッシュも振り返る。するとこちらを蒼い眼光が捉えるのを確認した。もう無闇矢鱈に周囲を破壊する様子もない。


「10秒って言わなかったか?」


「誤差だよ」


「5、6秒と10秒じゃ全然違……危ねぇ!」


バッシュはウィットベレンを横に突き飛ばして自身も逆側へと前転する。


ヒュン…


と風が吹き抜けて、吹き抜けたと思ったらドォン!と地響きを立てながらウィンパルレインの巨体が2人のいた位置に、落下の衝撃を伴いながら着地した。


「くそっ!相変わらず滅茶苦茶しやがる!お前ら!気をつけろ!」


言って、バッシュは重太刀をウェンパルカムイに叩きつける。


ギィィン!


弾かれる前提の攻撃だ。体勢は崩さない。 ウェンパルカムイは一瞬、チラリとバッシュを見たが無視した。無視して、ウィットベレンを見咎めると嬉しそうに喉を鳴らした。


「さっきので僕を脅威判定したか…こりゃ誤算だ…ねっ!」


大口を開けて齧りつこうとした一撃を、ウィットベレンは飛んでかわす。ブワッ…と風が舞ったせいで、上手く着地出来ずにゴロゴロと石畳を転がる。


「っぐぅう!」


背中から着地したせいだろう。くぐもった声が漏れる。そしてそんな隙を、ウェンパルカムイが見逃す筈は無い。再度、ウィットベレンへ大口を開けて顔面を降下させた。だが、その攻撃は意外な一手に阻害される。


「はぁぁあ!」


レイラが叫びながら、全体重を乗せた突きをその横面に叩きつけた。


ドォオン!


轟音を上げてめくり上がる石畳に歯を立てるウェンパルカムイ。ウィットベレンを狙った一撃は逸れ、顔をゆっくり上げながら不満げに喉を鳴らす。ウィットベレンはレイラに気を取られてるその隙に立ち上がり体勢を立て直した。


「助かったよ」


「あんたに死なれたから困るからね!殴れなくなる!」


言ってレイラはウェンパルカムイの左目を狙い突きを繰り出し、やはり弾かれる。だが、その竜眼に薄い氷の膜が張って、視界が再度阻害された事にウェンパルカムイは驚いた様に動きが止まった。

レイラの重太刀もバッシュと同じく魔剣だ。炎熱効果とは対照的な凍結効果が付与されており、その刃の走った後には霜がたち、凍結して割れていく。ウェンパルカムイ相手だ、そこまでの効果は望めないがそれでも視界を片方、溶けるまでの一時的なものとはいえ阻害できるのは大きい。レイラは動きが止まったのを確認しつつ、チラリと横目で夫を見た。


(バッシュ、まだなの?)


ウェンパルカムイに無視されてからもバッシュはこれ幸いと怒涛の斬撃を続けていた。5…6、7、8撃!次々と繰り出す斬撃。もっと早く、重く、鋭く!そしてようやく、1枚の鱗に先端に薄い赤色が灯った。よし!


「レイラァ!」


「よし来た!」


バッシュが飛び、レイラと位置をスイッチする。ウェンパルカムイは目の異物感が気になるのかかぶりを振っている。もうあまり時間が無い。レイラはバッシュが繰り出していた連撃とは対照的に一刀。縦に繰り出した。但しそのまま振り切らず、押し付けるようにして刃を立てる。


シュワァァァ……


音をたてて水蒸気が上がる。これに気づいたのは本当にたまたまだった。


ある冬の日。狩りを終えて村に戻る道中、息子のゼノへのお土産にとレイラが買ったグラスのコップで沸かした茶を飲もうとしたバッシュが発端だ。お茶を入れた瞬間パキッ……とグラスが割れたのだ。レイラは当然烈火の如く怒り狂った。夫を土下座させ、今すぐ戻って買い直してこいといったのだが、バッシュは言い訳をした。これは実演なのだと。

何言ってんだこいつと思ったがレイラは語らせてみる事にしたのだ。そして夫はこういった。


「冷たいものを一気に温めれば割れるのは今のでわかったろう?つまり、俺の炎の魔剣とレイラの氷の魔剣なら、新しい狩りの道がひらけるのさ!」


と。そして今まで何十体と魔物を狩って来て試した結果が……


パキッ!


ウェンパルカムイの鱗と甲殻にヒビが入る。瞬間、ウェンパルカムイは後方へと飛びずさり天に向けて咆哮した。


「ぐっ……うぅ!」


硬直する中で、レイラは確かな手応えに震えていた。バッシュも、同様だ。



雨は気がついたら止んでいた。








照明弾が上がった場所までの距離も、そう離れていない。









だが、ウェンパルカムイの瞳にこれまでとは違う異様な輝きが宿った事に未だ誰も気づいていない。




彼は心の中で彼らを餌ではなく、こう認識を改めた。







テキダ……




と。




頑張るんで良かったらブクマ、感想などなどよろしくおなしゃす。やる気が出ます。

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