コミュ障吸血鬼、憂う
大変お待たせしました!
気付けば1年以上も間が空いてしまっていて驚きました。
リハビリがてら、不定期に変わりはありませんが、それでも今までよりは間隔を狭くして更新していけたらなと思いますので、これからもよろしくお願い致しますm(_ _)m
「ちょっと! どうして二人してため息をつくのよ!」
アンナがツッコミを入れてくる。
それに対して僕が物申そうとするより先に、ルルが話し掛けてきた。
「さぁ、お姉様。こんな万年変態のことは放っておいて、少し出掛けませんか?」
「……良い、けど……なんで?」
「もちろん、お姉様ともっと仲良くなるためです!」
そう言って僕のことを見つめてくるルルの目は、キラキラと輝いている。
散歩に行く前の犬みたいだ。
僕としては、今はアンナを放置しておきたいから、断る理由はない。
「……わかった……行こ」
「! ありがとうございます!」
喜ぶルルと一緒にリビングを出ていこうとすると、
「ちょっ、ちょっと、ティアナ!? なんで私を置いていくの!? 私を捨てないで! お願いだから!」
そんな、別れ際のカップルの彼女みたいなことを言いながら、アンナが縋り付いてきた。
彼氏じゃないし、それを抜きにしても、捨てる捨てないの権限はアンナにあると思う。
僕は、居候させてもらってる身分だから。
というか、ちょっと出掛けるだけなのに、そこまで大袈裟なことを言わなくても……。
「てぃ、ティアナ? なんでそんな虚無めいた目をしているの?」
「……ルル、行こ……」
「はい。お姉様」
「ティアナ!? ねぇ、ちょっと!?」
アンナの呼び止めを無視して、ルルと一緒にリビングを出た。
◆
「全く……あれが戦女神だなんて、世も末ですよね。お姉様」
「……」
よく考えたら、ちょっとぞんざいに扱いすぎたかも……。
嫌われてないかな……ないよね?
嫌われてたらどうしよう……。
でも、悪いのはアンナで、それ相応の対応をしただけ……だけ、だけど……。
もし、本当に僕のことを嫌いになってたら?
もうあの変態染みた言動をすることも、優しく接してくれることもなくなる。
それはちょっと、寂しい……かも。
それでこそアンナってところもあるし。
それに──
「お姉様」
ルルに呼ばれたことで思考の海から帰還した僕は、ルルに顔を向ける。
「大丈夫です。短い付き合いですが、あの変態は、お姉様に嫌われることを気にすることはあっても、自分からお姉様を嫌いになることは天地がひっくり返ろうと、世界が滅びようと……たとえ、お姉様からどの様な扱いを受けたとしても、【嫌いになる】のきの字すら思考に出てこないでしょう。そして、そういう人物だということは、私よりもお姉様の方が十二分にわかっているでしょう?」
「……でも……人の心は、移ろいやすいもの……だし……」
「そうかもしれません。ですが、今回に関して言えば、あの変態がお姉様を嫌いになることは決してないと断言できます」
「……どう、して……?」
どうしてそこまで自信満々に言い切れるのか、僕には到底理解できなかった。
「なぜなら……。やっぱり、やめておきます。これは帰ってみればわかることですから、お姉様自身で確かめてください。それよりも、今は散歩を楽しみましょう!」
ものすごく聞きたかったけど、ルルがそう言うので、不安を抱きながらも散歩に意識を向けることにした。




