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一日目の終わり

瓶の中で灯る炎だけに照らされた部屋の中であたしは羊皮紙につらつらと文字を書き連ねる。記しているのはこの騎士団で消費された食料とこれから必要になる物資を国に提出し卸してもらう為の書面。


食堂を後にしてから一時間ほど経っただろうか。多少終わりが見えてきた雑務に首を回し凝りをほぐす。


もうぬるくなってしまったコーヒーを口に含み作業を再開しようとした時、トントン、扉をノックする音が部屋に響いた。


「アリス、私よ」


良く通る、聞きなれた同僚の声。


「ああ、入ってくれ」


そう返事を返した後、部屋へ入って来たのは青髪の旧友ベルベットだ。

胸の下で腕を組んだままこちらへと向かってくる。


「書類まだ残っていたのね、手伝うわよ?」


「いや、もう終わる目途はついてる」


「そう、でも早めに寝ないとお肌に悪いわ気を付けてね」


「余計なお世話だ、騎士になった時点で女としての幸せなんて捨ててる」


「そうは言ってもねぇ・・・どこかにあの騎士団長サマをゾッコンにさせる男はいないものかしら」


「いないよそんな男なんて、この世界のどこにも」


あたしはきっぱりと否定する。男にかまけてる暇なんてないあたしにはやらなきゃいけない責務がある。


「はぁ・・・まぁ未来は分からないしね、今はそういう事にしておくよ」


「―――そんなことより」


ベルベットの言葉を遮る、これからは仕事の話だ。


「あの二人はどうだった、意見が聞きたい」


今日ユーリスが連れてきた二人の男、ベルベットにも事情は話してある。


「前もって聞いてはいたけど実際に見て驚いたわ、本当にマナを保有していない人間がいるなんて。おかげで簡単な傷も回復(ヒール)で治療することができなかった」


「ふむ、回復(ヒール)の魔法も効かなかったのか」


両肘を机につき半分ほど書き終わった書類を意味もなく見つめる。


「言語変換魔法も効かなかったんでしょ?だから私も自分自身に使って彼らを待ってた訳だけど」


「ああ、やはりあの二人には体内のマナに影響を与えて行使する魔法が効かないようだな」


「治癒術師としては困りものね、彼らが大怪我でもした時に即座に治してあげることができないんですもの」


「こっちとしても困ることは多々あるが・・・率直に聞く、あの二人についてどう思う?」


あたしの問いに少しの間顎に手を当て沈黙する。そしてゆっくりと口を開いた。


「正直私からしても未知ね、他国の間者・・・にしては体を鍛えてなさすぎる、騎士見習いにだって彼らは恐らく敵わない。本当に記憶喪失かどうかは怪しい所だけど私達にはそれを調べる術がないのよねぇ、でもやっぱり一番ネックなのはどうして彼らにはマナがないのか、かしら」


「そうだな、それが人為的な工作なのか何かの拍子にそうなってしまったのか」


「精神支配系の魔法を使って自白させようとしても効果はないだろうしね、拷問でもしちゃう?」


「一応本当に黒か白かも分からないんだ、昨今問題視され始めてる支配系魔法と拷問に通すことはできない」


「確かにそうだけどね、でも多種族との戦争がいつ起きてもおかしくない現状で支配系魔法や拷問を禁止しようっていう一部の人たちは何考えてるんだろうね。ドワーフあたりにでも隷属したいのかな?」


「言葉が過ぎるぞ、慎め」


「ごめんごめん」


ウインクをしながらベルベットは舌をペロッと出してみせる。


「ベルベットの言い分に賛同できない事もない。他国、とりわけドワーフ国では何やら不穏な動きもあるようだ」


「そういう情報も入ってるね、戦争しないに越した事はないしトリステント国王陛下がどうお考えになってるか気になるところではあるけど」


「ああ、だが陛下は近頃お体の調子が優れないと聞く。そのような状態で戦争などする無謀なお方ではないはずだが」


「やっぱりドワーフの一人でも攫ってきて支配系魔法で情報を・・・」


「ベルベット・・・それは陛下自身が推奨しないと仰っていただろう。それにあたし自身も拷問やらは好まん」


全く、相変わらずベルベットの魔法への探求心は異常だな。この騎士団では治療術師なんて職についちゃいるが、日頃はもっぱら新しい魔法の研究に没頭している研究者としての面も持っている。

まぁあたしからすればきちんと仕事さえこなしてくれれば文句はない。


「分かってるよー、新しく思いついた魔法もあったんだけど試すのはまだまだ後になりそうだね」


「くれぐれも好奇心に負けて自室で試すんじゃないぞ、また前みたいに吹っ飛んでも新しい部屋は用意してやらないからな」


「そんなことするわけないじゃ~ん、あれも事故みたいなものだしそう何度も爆発なんてしないよ。うん、するわけない」


「どこからその自信が湧いてくるんだか」


実際ベルベットの魔法で宿舎が半壊した、昼間ということもあって騎士たちは勤務中で怪我人はでなかったから良かったものの、あたしは国へ報告書を書かされたりと散々だったさ。


「はぁ・・・結局あの二人に関しては様子見にしておくしかなさそうだな」


「そうだね~、でも一人とはいえユーリスに預けちゃって大丈夫だったの?」


「心配ないだろう、あの男よりはユーリスの方が強い、妙な行動をとればすぐに行動不能にさせられる」


「だけどユーリスには私たちがこうして裏であの二人の事を探ってるの教えてないんでしょ?」


「ユーリスは嘘が下手すぎるからな、どこかでボロが出かねん」


「まぁそうだよねあの子は良くも悪くも真っ直ぐすぎるから、こういう悪い事は大人の仕事・・・そういえばあれはどうなったの?」


「あれ?」


「ほら、食堂で伝えた二人の持ってたっていう荷物の事」


「ああ、お前が食堂へ来るまでの間に聞いたって言ってたあれか。お前がこの部屋を訪ねてくる少し前に街へ派遣した騎士から報告があったがそれらしいものは見つけられなかったらしい」


「やっぱりかー、誰かが盗ってっちゃった可能性が高いよね。あそこら辺の治安は悪くもないけど良くもないし、子供たちが見つけちゃって面白半分で持って行っちゃったかもしれないし。でも惜しい事したなぁ彼らに関する手掛かりがあったかもしれないのに」


「これからも捜索は続けるが見つかる可能性は低いな、・・・ふぁぁあ」


今は何時だろう、疲れも相まって欠伸がでてしまう。


「眠そうだねぇ、やっぱり私も手伝っていくよ」


そう言ったベルベットは部屋の隅にあった木製の椅子を机の正面まで運ぶ。


「別にいいってのに、疲れてるだろ?お前も」


「多少はね?まぁでもいいじゃない、魔法学校時代に戻ったみたいで」


「いつの話してんだい・・・全く」


「じゃあ私はどの書類をしようか?」


「ん、そうだねぇ」


机の引き出しの中から白紙の紙を取り出す。


「んじゃ、これに制服やらタオルやら布製品の追加注文を書いとくれ」


「おっけ~了解」


炎が揺らめく部屋の中で黙々と書類に文字を書き込んでいく。


一人でやっていたならば日付を跨いでいたであろう雑務も、ベルベットの加勢によって全て片付いたのは日付変更の30分前だった。



1



 騎士団の門を出て歩くこと20分、街はずれにある小高い丘の上に少女の家はあった。外から見るに4人家族で暮らすには狭そうだが一人暮らしをするとしたら十分な広さであろう家の大きさだった。

材質は石、屋根からは煙突が一つ伸びており夜空を埋め尽くす満天の星も相まって、絵本の中にでも描かれていそうな風景だった。


俺の前を行くユーリスは制服の内ポケットからアンティーク調の鍵を取り出す。日本ではオシャレアイテムとして身に着けている人を見たことはあるが実際に使ってるんだな。

俺の視線に気づいたユーリスはこちらを振り返る。


「この鍵がどうかしました?」


「いや、家の鍵は魔法とかじゃなくて物なんだなと思って」


「魔法を使える人ならそうしている人もいますが街に住んでる市民の方々は基本的に魔法は使えません、そして元々この家は魔法の使えない私の祖父母の家だったのです。なので鍵が使われていて、この辺りにはほとんど人が来ることもないので私も魔法を施していません」


「なるほどな」


元々祖父母が住んでいた・・・って事はもう亡くなってしまっているのだろうか。深くは追及しない方がいいんだろうな。


ユーリスは鍵を使いドアを開いた。


「どうぞ」


「お、おじゃまします」


女の人の家に入るのなんていつぶりだろう?小学校か?緊張するな・・・


玄関に入りまず感じたのは男の住む家では絶対に嗅ぐことのできないフローラルな香り。おっと待て別に俺が変態なわけじゃない。人の家にあげさせてもらった時一番最初に思うのはどんな匂いがしているのかだ。いい匂いなのかそうでないのか、嗅ぎたくて嗅いでるとかそういう事でもなく呼吸をすれば自然に鼻腔を通って俺の中に入り込んでくる。これは住んでいるのが男とか女とかそういうのは全く関係なくむしろどちらであっても必ず起こり得る強制イベントみたいなもの、だから少女の部屋に入りいい匂いだという感想を持つことは別に不自然な事ではないし変態じみた行為でもない。普通の事だ。


「玄関で立ち止まってどうかしたんですか?」


「靴は脱いだ方がいいのかと思って」


「そうですね、家庭によってそれぞれみたいですがここでは靴を脱いであがって下さい」


この世界ではアメリカンスタイルと日本スタイルが混合されてるのか。まぁ俺としても靴を脱ぐ方が馴染み深いしリラックスできるが。

騎士団では流石に靴までは貸してもらえなかったので自前の普段から履いている革靴を脱いで並べる。もし今日街中を歩き回ると知っていればスニーカーを履いてきたのに。


玄関には小さい靴箱が一つ、その上にはうさぎのような小動物のガラス細工が置いてある。

こういうの好きなのかな。


玄関とリビングを仕切る扉を開いた。女の子らしいメルヘンチックな部屋というわけではなく、むしろ予想通りのよく整理整頓が行き届いた真面目なユーリスらしい部屋だった。

物は少なく部屋の真ん中にはテーブルと二人掛けのソファ、それとは別に椅子と小さめのテーブルがワンセットとして窓側に置いてあった。あっちは朝食とかをすませる用なのかな。


部屋を見渡す中で目に付いたのは立派な暖炉、今は炎はついていないが使用した形跡が煤の後として若干黒く残っていた。という事は暖炉を使わなければいけないくらい寒い季節もあるという事か。本物の暖炉なんて初めて見たな、火が灯ってる所も見てみたいなぁさぞ綺麗なんだろうな。


「そんなにまじまじと部屋を見られると恥ずかしいんですが・・・」


「そんなつもりはなかったんだが、すまない」


「謝られるほどでは・・・取り合えず座って下さい。何か飲み物を入れます、コーヒーは・・・今飲むと眠れなくなりますかね」


携えていた剣を腰から鞘ごと抜き壁際にある台に立てる。

そのままリビングからカウンター越しに見える位置にあるキッチンへと行く。


座れと言われてもなこれからお世話になる家主を差し置いてくつろいでいてもいいものか?でもまぁこの家のどこに何があるかも把握してない俺が歩き回っても迷惑か。

大人しくソファに腰を下ろして息を吐く。


「ふぅ・・・」


疲れたな・・・足がパンパンだもう歩きたくない。

キッチンで何やらゴソゴソと棚をあさる音が聞こえてくる。


「ミルクティーでいいですか?」


「ああ、ありがとう」


ユーリスが鍋の中に白い液体、牛乳だろうか?詳しくは分からないがミルクティーというからには何らかの動物の乳なのだろう。大きな瓶から注ぎ込む。それを中心のへこんだ石の台に乗せ、鍋の底に向かって人差し指を突き出した。


炎よ(フレイム)


するとポッと火が付き薪や燃料がないのに少しずつ火力が強くなっていく。


「それ、魔法か?」


俺の問いかけにユーリスは棚からカップを2つ出しながら答える。


「そうです、魔法学校で一番最初に習う魔法、フレイムです」


「魔法学校?」


「魔法学校の事も忘れてしまっているのですか?騎士団にいるものは皆アグリスト魔法女学院の卒業生なのですよ」


そんなものが存在するのか、しかし当然と言えば当然か?魔法というものが当たり前に認知されているこの世界では、俺たちで言う高校や大学、専門学校に通っているような感覚なのかもしれんな。

アグリスト魔法女学院か・・・ってちょっと待て。


「女学院って事は男子禁制ってことなのか?」


「そうですよ、女子は女学院で男子は別に魔法学校が作られているのです」


女子校と男子校の扱いかよ。俺は共学だったからよく知らんが青春を野郎どもと過ごす暑苦しい男達の図が思い浮かぶな。


「なんでわざわざ分けるんだ?学ぶ魔法が違うのか?」


キッチンでは温まったミルクに茶葉を入れている。


「いえ、魔法は基本同じものを教えてもらうのです、個人の裁量や授業以外に魔導書などを読んでそれぞれで力を伸ばすことはありますが、学習内容は国によって定められています。男女で学校を分ける理由は卒業後配属される場所が全く違うのです」


「どう違うんだ?」


「貴方も先程までいた私達の騎士団には女性しか居なかった事に気付いていたでしょう?」


まぁそりゃあな、ちょっとしたハーレム気分だったぞ。ゴミを見る目で見られてたけど。


「私達女騎士は国の内部の安全を守るために編成された騎士団なのです、犯罪が起これば市民の安全の為に戦う、悪事を企てる多種族が観光のふりをして入り込んでも未然に防ぐ。それが私達の役目です。ですが男の騎士は国の外部を守る役目。即ち国境の管理や戦争への出兵です」


「戦争・・・?」


「はい、ここ数十年はアグリスト王国は特に戦争とは無縁に安全に生活できる国として栄えてきました。ですが最近他国の戦争活動が活発化してきているのです。そんな事態に対応するために外部を守る騎士団は存在し学び舎も分けられているのです」


「そうだったのか・・・」


戦争なんて現実味がないな。戦争体験をした先祖なんて俺からしたら何世代も前の話だ。だけどこの世界では今も尚どこかで戦争が起こっている・・・ダメだ。全く想像がつかん。俺みたいな人間を平和ボケというんだろうな。

頭の中でグルグルと回る戦争というワード、そんな俺を現実に引き戻したのは漂ってきたほのかに甘い匂いだった。


「できましたよ」


ことん、とテーブルの上に置かれたのはゆらゆらと湯気の立ち上る実に美味しそうなミルクティーだった。


「お砂糖はお好みでどうぞ」


ユーリスがテーブルにある小さな陶器の蓋を開け角砂糖を出してくれる。


「ありがとう」


自分のカップを持ったユーリスが少し間を開けて俺の隣に腰を下ろした。

今日は色んな事がありすぎて流石に疲れたからな、砂糖は2つ入れておこう。

くるくるとスプーンでミルクティーを混ぜ口に含む。その様子をユーリスはチラチラと窺っていた。


「ん、おいしいな」


暖かいものを飲むと安心した気持ちになる、ミルクと砂糖が入っているならなおさらだ。少しずつ初めてきた女の子の家という緊張もとけてきてソファに背中をつけて脱力した。

そんな俺の姿を見てユーリスもカップに口を付け始める。


部屋の中に流れるのは静寂、だが気まずいものではなくお互いに一息ついている和やかなものだった。自分の家では特に用がなくても何となくテレビをつけてたからななんだか新鮮だ。


今日はどれくらいの距離歩いたんだろう、普段は研究所の中だけで過ごしてたしな運動不足の人間には辛い。よくよく考えたらこっちの世界に来てまだ一日も経ってないんだよな、密度が濃すぎて二、三日過ぎてんじゃないかと勘違いしてしまいそうだ。


「ふぁぁぁ・・・」


ミルクティーをちびちび飲んでいたが不意に大きなあくびをついてしまった。


「お疲れのようですね」


「ああ、ミルクティーの温かさで眠気を誘われた」


「ここで眠っては風邪をひいてしまいますよ」


そう言われても人間というのは快適な空間で睡魔に襲われれば途端に一ミリも動きたくなくなる生き物、瞼も勝手に閉じてきてもう駄目だこれ、寝る。


「起きてください、眠るならせめてベッドに」


ユーリスはカップをテーブルに置き、俺の肩に手を回す。


「立てますか?寝室まで行きますよ」


支えられたまま寝室へと連れて行ってもらう、何度か躓きそうになったが眠すぎて気にならん。


「つきましたよ」


柔らかい感触に体が包まれる。ホテルのベッドみたいにフカフカだ。しかも顔をうずめてみるととてもいい匂いがした。柔軟剤か?それよりかはシャンプーみたいな。どっちでもいいや。

考えるのも億劫になって思考をやめ、睡眠の波に流される。ユーリスが何かを言っているような気がするが、適当に返事を返して俺は深い深い微睡へと落ちて行った。



2



「――――――――」


「・・・・・」


「―――――い」


「・・・・・・・・」


「―――て――さい」


「・・・ん・・・?」


カーテンの隙間から日が差し込んでいる。外からはちゅんちゅんと鳥の鳴く声。あれ、いつも目覚ましをかけていたはずだがここは?

腕で日光を遮りながら自重で勝手に下りてくる瞼を懸命に開いた。


「おはようございます。シズ」


そう言って俺の体をゆすっていたのは薄紫の、上品さを感じさせる白いレースが入ったネグリジェを着た金髪の少女。


ってかシズって誰のことだ?

一つ前の後書きで書いてた次回予告のセリフを今回も入れることができなかった。申し訳ない。

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