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H23

 俺達はダンプを与えられた。というか用意されてた。元々がこの魔王国からはその予定だったからだ。俺がこの角で伝えられたポイントには確かにちゃんとダンプがあった。まあそれは当たり前だ。何せここは魔王国での唯一のダンプを取り扱ってる軍の場所なんだから。一応ちゃんと人種の軍の居場所みたいなのもここにはある。同盟結んでるんだから、そんなのがあってもおかしくはない。


 そこには極秘裏に指示が出されていて、俺達の為にダンプが数台用意されていたんだ。でも彼等も魔族が来たことに驚いてた。多分なかなか魔族は来ないかいきなりは来ないんじゃないか? 仮にも軍の駐屯地だし、同盟国と行っても仲が良いのか悪いのかははっきり言って微妙だ。俺の情報を持ってここに魔族の奴らは来たんだろう。そして用意されていたダンプを半ば強引に引き取る。


 軍の奴らも戸惑っていたが、そもそも極秘の任務でそこまで詳しくは聞かされてなかったんだろう。困惑しながらもダンプを俺達に貸してくれる。


「さて、とりあえずここまで行って貰おうか」


 そう言ってこちらを見た魔族の彼等から頭に直接場所が見える。まるで上空から見たかのような風景から目的地のルートが色で示される感じだ。そしてご丁寧にここからそこまでのあらかじめの移動風景なんかも見せてくれるんだから至れり尽くせりだ。これなら間違いようがないな。それを狙ってるのか? 絶対に間違わせないように? おいおい……魔族は一体何を狙ってるんだ? 本当ならこのダンプには既に食料とか色々な物が積まれてて、ここから直ぐに俺達は目的の種がいる場所まで出発する気だった。それてそれは魔族で有るか彼等も知ってる筈だ。何せ俺がそれを口に出していったからな。

 でもわざわざ別の場所にまずは行かせる気のようだ。何が待ってるのか……俺の眼帯で隠された左目がうずく。俺はハンドルを握った部隊の一人と視線を交わした。そしてうなずき合う。ここでヘタな事をする必要は無いという意思確認だ。何か手を打つにしても、ここは魔族の国の中。不孝を買うと生きて出られる確率はかなり低い。それに何度も行ってるが魔王国は同盟国だ。ヘタな事はしないかも知れない。そもそもが魔族は戦闘民族。ただこの作戦に参加して戦いたいだけかも知れない。まあそれならたった二人ってのはおかしいが。


(いや、このポイントに魔族の部隊が居るのかも知れないな)


 とりあえずこの二人をつけただけで、この二人は実はただの案内役なのかも知れない。そもそも数を動かすとなれば準備は必要だろうしな。そう考えれば納得は行く。まあ今は大人しくだ。魔族とやり合う意味は今の所無いしな。ダンプが魔光石のエネルギを使って走り始める。魔王国には道はない。いや勿論歩く道はあるがダンプが走るようの道がないって意味だ。一応人種の国と比べたら道路をたらたらと歩く輩は少ないが、居ないわけじゃないから町中ではスピードを出せなくてかなりゆっくりな進みとなった。


 だが迷うことは無い。さっきの頭に直接映された映像の通りにダンプは進んでいく。

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