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H19

 体に突き刺さる硬質な何か。鉄骨か……なんかそれに準じるような物。それが俺の体を貫く。だが――その瞬間に俺の体は露と消えた。そういう想定はしてた。俺は壁を伝い、そしてある程度の高さから今回支給されたコートを広げて飛んでいた。羽の様に広がった其れは上手く広がってドーム状の天井を快適に飛んでいる。


 実際、そこらのコートでは同じような事は出来ない。やはり今回支給されたこの装備はかなりの高性能だ。奴らは完全に俺を見失ってる。上から見ると、奴らの準備万端ぶりがよくわかる。やはりおかしいが、ここはまずはサポを救出するのが先決だ。


 話しはそれからでもいいだろう。いつだって魔族が人種見下げる位置に居るのに、今やそれは逆。おかしい事だ。薄ら笑いを浮かべながら、俺は銃に新たなカードをスキャンさせる。そしてそれによって銃口の尖端に魔力があつまる。俺はある程度高度が下がったら、後方に投げてた爆弾を爆発させる。そんな派手な奴じゃない。ちょっとした壁とかを壊す用の局所的な破壊を目的とした爆弾だ。


 だから炎が出るとかはないが、音はそれなりにする。それによって魔族共の視線が再び切り替わる。その瞬間を狙ってコートの展開を止めて一気に落ちる。ただこの高さ落ちると流石に死にはしないが足がいくだろう。


 だからこそここで銃を使う。放たれた銃弾からは線が伸びてて、ある程度デカい魔族の体を利用してワイヤーアクションの様に、ひっばって貰う。そうなると勿論、そこで気付かれる――が、もう遅い。


「ぎざまああああ!!」


 そう言って俺の移動手段に使われた魔族が腕を振るってくるが糸を切り離して奴の拳をただ降らせて俺は木手の物の前に着地。鳥かごの様な物に入れられてるサポを、それを振動ナイフで切り裂いて救出。もう一度銃を撃ってワイヤーに引っ張って貰って緊急脱出!! 更に去り際にもう一個フラッシュバンのプレゼントだ!


 魔族を手玉にとっての救出劇。なかなかのスリルだった。生きてるって感じだ。俺は助けたサポと共にドームの外へ。


『ありがとうございます』

「なに、当然のことだ。今は仲間だからな」


 仲間は見捨てない。ミッション上仕方ない時以外は――な。


『ふふ、そうですね』


 サポがその丸い体をホワホワさせながらそういう。くすぐったい奴である。まあだがまだ油断は出来ない。魔族の目的が見えないからな。奴らの行動はおかしい。それは確定してる。そう思いつつ、ドームの外に出ると……そこには沢山の魔族が我ら第555独立遊撃部隊のメンバーを囲んでた。


「これは……」


 どう考えても逃げられる雰囲気ではない。空だって固められてる。流石にこれは街のチンピラの出来る事ではない。そしてそんな多種多様な魔族の中から、小さな女性が現れる。


「楽しい事、やってるんですね。私も混ぜてくださいよ」


 その瞬間、俺達の膝が崩れ落ちる。それはまるで精神の屈服。こいつには絶対に逆らってはいけないと、魂が言ってる。

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