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H10

「どうだお前等? ちゃんと装備は行き渡ったか?」

「ちゃんと人数分ありましたよ。ですが……」

「ちょっとよくわからないのが一つ」

「だよな」


 俺達第555独立遊撃部隊は支給された装備に身を包み、満足げにしながらも一つ困惑してた。それはあるアイテムによる。大体全部、人数分の装備があったわけだが、これだけはたった一つ鹿用意されてない。だが、たった一つと言うことでなんとなく想像は出来る。俺達は揃いのぴっちりとした服に、上から襟の高いコートの様な物を着てる。そのコートの内側には沢山のポケットがあって、色々と武器を仕込めるようになってる。そしてそのコート自体にも周囲に溶け込む様な仕掛けが施されてるらしい。


 ちょっとだけテカってる材質だが、これがこのコートの色を周囲に溶け込ませるみたいだ。実験的に一人にやってもらったら、顔意外は確かにこの廃工場の景色溶け込んだ。というか体が透明になったかのようだった。


 これは微弱な人種の魔力でも発動する見たいだ。まあそうでなかったら使えないんだが……あと他にも色々と機能はある。中のスーツには繊維を自在に解いたり、編んだり出来るらしい。これを使えばワイヤーの用に使ったり暗殺器具にしたりも出来る。

 ぴっちりした服だけど、繊維を使ってる割にはこの服がほどける事は無いみたいだ。幾層もの繊維を重ねてるるのかもしれない。そこまでの繊維の折り重ねは人の手では出来ない領域だ。だからきっとこれもエデン製なのだろう。

 

 こんなのをポンとくれるって事は、これは多分そうとう危ない案件……俺は最後に残ったそのアイテムを取る。


「これはたった一つ、ならこの部隊のポスである俺の物だろう」


 そう言って俺はそれをつける。それは角だった。赤い角がついたカチューシャみたいな? だから頭につけてみる。するとその瞬間だ。


「うぐぁ! あああああああああああああ!!」

「「「ポス!!!」」」


 第555独立遊撃部隊の仲間の声が聞こえる。だが、それにかまってる場合ではない。なにせ「なんだこれ?」って感じの事が俺には起きている。まるで頭が無理矢理拡張されてるような……それか頭の中を合意に船離されてる様な……いずれも頭の中に手を突っ込まれていじくり回されてる様な不快感。


 そして俺の頭にのめり込む角付きカチューシャから一筋の赤い光が天に昇った。その時俺はみた。


『あんた達の役目を果たしなさい』


 それは大輪の花よりも美しい女神の姿。まあつまりはラーゼ様だ。そのお姿と声が聞こえた。そしてこの任務の全容をしる。


「あ……が……」

「ぽ……す?」

「大丈夫っすか?」


 グラブとポールがそんな事を言ってる。他のベースやバッドも俺を心配そうに見てる。きっと俺は今、とても酷い顔をしてるだろう。だが……頭の中はとてもすっきりとしてる。


 俺はカッ! と再起動してブッと出た鼻血を拭う。


「ボス……それ」

「ん? ああ、格好良くなっただろう?」


 俺の頭には角が生えてた。カチューシャではない。取ることは出来ない赤い角が一つ、斜めに突き出てる。

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