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閑話 ある日のユングの苦悩12

「腹……ですか?」

「ああ。ってどこ見てる」


 そう言ってスナフスキンの巫女が自身のお腹を腕で覆って僕の事を見下してくる。いや、確かにお腹と聞いて、自然と視線がお腹に行ったのを否定はしないよ。けど別にやらしい気持ちで見てた訳じゃない。というかそもそもスナフスキンの巫女をやらしい気持ちでみれる程に、僕は特殊な性癖をしてる自覚ないし。とりあえずスナフスキンの巫女のその行動は無視しておこう。なにせヘタに触れたら、なんか突っ込まれそうだし。こういうのはわかって無い振りして、無視が一番だろう。

 そうすることによって、自身の自意識過剰も自覚出来る。


「それって一体どういう?」

「アラガタのような野蛮な種が全てを壊す事が出来る種ならば、我らスナフスキンは知略の種なのだ」


 うん? そう言って再びティーカップに手を伸ばすスナフスキンの巫女。いやいやいや、なんか今の説明でわかっただろ? 的な雰囲気出してますけど、何もわかりませんけど? 見た目的にスナフスキンと言う種がそこまで肉体的に強い種って感じではないのはわかるけど……それでも全然人種よりも肉体的には強いんだけど……どれだけ人種が弱いって事か。スナフスキンはマナの扱い的に優れてるんだろう。でもそれだけで、ここが目の前のスナフスキンの巫女の腹と言うことには繋がらない。


「よくわからないのですが?」

「何? 今のでわからないのか? ん? そもそも貴様は我らの事をどのくらい知ってる?」

「かつて、貴方たちがこの世界に居たというくらいは……」

「全く、これだから人種というのは……想像を絶する弱さだな」


 なんか人種全体に対して呆れられた。いやいや、貴方たちがいた時代って数千年とか前の事だろう。そんなの弱小人種は生きてるだけで精一杯の時代だ。その頃の資料なんてほぼない。研究では小さなグループで洞穴とかに住み着いてたとか言われてる。時々洞穴に変な絵や文字が刻まれたりしてのが発見されるが、そのくらいだ。まあけど、お父様やラーゼ様とかはもっとスナフスキンという種について知ってておかしくない。なにせエデンには膨大な知識があると聞く。

 それを引き出せるラーゼ様なら色々としってるだろうし、お父様だってそういう情報は与えられる筈だ。僕にもある程度教えて欲しい所だが、文句を言っても仕方ないことだ。


「まあだが、全てをペラペラと話はしない。ただ我らは――」


 そう言ってスナフスキンの巫女は空になったティーカップに手をかざして其れを握りしめる。


「――想像を叶える力を持ってるというだけだ」


 再び手を広げた時、ティーカップはミニチュアサイズのアラガタの姿になってた。それをスナフスキンの巫女は腕を振り下ろして砕く。メイドさんが「ひっ」と怯えたが、僕はとりあえず自分のティーカップを守った。お菓子は床におちた。


「願いでつくった物は自由がきく。そしてここが腹と行ったのは、繋いでるからだ。ここに来た時から体がだるくないか?」


 スナフスキンの巫女はニヤリと笑う。

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