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閑話 ある日のユングの苦悩8

「なんだこれ?」


 何も場所で僕は有る物を見つけた。周囲を見ると、転々と淡い光がある。それは赤かったり、青かったり、黄色かったり様々な色だ。そんな様々な色の光の一つが近付いてくる。そして僕の周囲を漂う。まるで誘ってるかのように……僕はその紫色の光に触れてみた。するとその光に引っ張られるように意識が流れていく。



「……うん、ここは?」


 気付くとそこは森だった。深い森だ。幹が淡く光る木々が連なってる森は夜でも結構明るい。一体どこの森なのか……自分の記憶にこんな光景はない。だとすると、これはもしかしたら今勝手に自分の体を宿代わりにしてるアラガタの記憶だろうか? 

 

ガサ――


 そんな音に僕は振り返る。幹が光ってるからそれなり明るくて、夜でも不気味でもない森だ。けど何かが居る感じが恐怖をかき立ててる。なまじ明かりがあるから、草とかが生い茂ってる部分は深い影になってる。ガサガサ――ガサガサ――何も見えないけど、そんな音は確実にきこえてくる。間違いなく何かがいる。


 僕はガサッと音がする度に、そっちを振り返る。右――左――後ろ――そして前――更に右。囲まれてる? でも姿は見えない。そもそも今僕は記憶を見てるんじゃないだろうか? なら怯える必要なんて無いはず何だけと……


「脆弱に……成り果てたか」


 それは僕から出た、僕じゃない声。やはりどうやら自分は今、アラガタらしい。その時、黒い何かが波打つ様に迫って来た。


「ひっ!?」


 僕は思わずそんな声を上げた。だってそれだけ気持ち悪かったからだ。草むらや、茂み。木の裏側から出てきたのはそれなりにデカいネズミみたいな生物だった。ぞれが大量に迫ってくる。まるで地面が動いてるかの様な大群だ。アラガタというか、自分は直ぐにそのネズミたちに覆われた。僕は凄く続々と鳥肌がたった。けどアラガタ事態はびくともして無い。彼等の牙ではアラガタの装甲は抜けないようだ。

 でもだからって全身を大きなネズミが這ってるんだよ? ちょっと続々としないのだろうか? そういう感覚というものはアラガタにはないのかもしれない。


「ふん」


 アラガタが煩わしそうにそういうと一気にネズミたちがふきとばされる。更にアラガタは地面に拳を打ち込んだ。それによって大地がわれた。大量のネズミたちが割れた大地へと吸い込まれていく。けどそれでもネズミたちは諦めてない。割れた大地を器用に進みアラガタへと迫る。でも突然、ある程度近付くとネズミたちの動きが鈍ってバタバタと倒れていく。


「貰うぞ、この星のマナを」


 そういうアラガタ。多分こいつ、自分の周囲のマナを自分のマナへと浸食してる。別のマナは相反する。だからネズミたちは倒れていってるんだろう。ならアラガタは――となるが、こいつは規格外に頑丈だ。だから大丈夫なんだろう。多分本当は大丈夫じゃないが、気合いで大丈夫に出来るだけの肉体を持ってるといった方が多分正しい気がする。


「こんな所に単身でくるとは……その自信、相変わらずだな」

「使える駒もない王か。やはりお前に星という営みは無理だったようだな」


 森の奥から二足歩行の細長い黒と白のネズミみたいな人達が出てきた。スナフキンだろう。更にアラガタは八体の反応を感じてる。スナフスキンは全部で十体なのだろうか? 図星を突かれたアラガタは無言で黒いスナフスキンに殴りかかる。どうやら星を奪うか守るかの戦いが始まったみたいだ。けどこの結果は既にでてる。スナフスキンは負け、この星は……

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