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閑話 ある日のシシの日常17

「どれだけ迷惑を掛けたんだお前は!」

「えー迷惑なんてそんな……」

「言い訳はいい! 今日の仕事をすっぽかした事には変わりないだろう!」

「いやいや、ちゃんとしてたし。寧ろコランよりも頑張ったしほら」


 私はエデンから帰ってきた途端にミラ姉に掴まって雷落とされてた。けどそれは誤解であると、私は必死に弁明する。なにせいっぱいエデンの知られざる場所を撮ったのだ。これを放送すれば、もう良い感じ間違いなし。


「それで今回の番組をコラン任せにした責任がとれると? 後輩達の事もコランに任せっきり。きさまは姉だろう」

「それは……」


 それを言われると何も反論できないね。だってあの時は、私達がいらなくなったんじゃないかって思ったんだもん。そうじゃないってラーゼ様に言ってもらえたからもういいけどさ、実際私はプリムローズ意外は割とどうでもいい。

 実は今もそこにいる。私達は今日、ライブがあるからね。そのバックダンサーにつくらしい。コラン達は早くに戻ってきて、その練習をしてたみたいだ。私は気絶してたから遅れてしまって、今は本番直前である。今日のステージ衣装でガミガミ怒られてる。

 こうなったらミラ姉は長いんだよね。しょうが無い、ここはあれでいくか。


「ごめんなさい。それは反省してる。だから挽回してみせる!」

「どうやってだ?」

「今日のステージ最高の物を見せてあげる。あんた達も私が凄いって所、ちゃんと見ときなさいよ!!」


 そう言ってビシッとひよっこ共を指さす。すると彼女達は一気に姿勢を正した。そして皆「はい!!」と言う。めっちゃ緊張してんじゃん。大丈夫あれ? そんな事を思ってると、カツンとヒールが鳴る音が聞こえた。そこには私と同じく遅れてきたフィリー姉がいる。

 てかそういえば、なんかフィリー姉は朝から様子がおかしかった。大丈夫?


「おいフィリー、遅い――どうした?」


 私の時と同じように注意をしようとしたミラ姉。けどその言葉が詰まる。私も絶句してる。なんか妙にフィリー姉がニコニコしてる。いや、フィリー姉はいつもニコニコしてる。してるんだけど……今はそのニコニコ具合が違う。普段の三割増しでニコニコしてる。

 はっきりいって不気味だ。だってこの人中身黒いじゃん。それなのに今は純度百パーセントみたいな笑顔してる。


「何って~、何が~?」

「いや、機嫌よさそうだな」

「わかる~? 朝から歯が痛くて~、でももう大丈夫。すっきりしたの~」

「「「は?」」」


 私達の声揃った。え? 朝からなんか深刻そうにしてたのって歯が痛かったの? マジで?


「皆して~は? っておもろ~。ギャグなの~? だから歯はもう大丈夫だから~」


 なんかフィリー姉だけがケラケラと笑ってる。いや、フィリー姉がケラケラ笑うこと自体珍しいからね。いつも口元隠して怪しく笑うから。どうやら今はそうとうテンション高いらしい。


「フィリー様可愛い……」


 そんな誰かの声が聞こえた。イメージと違うフィリー姉の一面になんか後輩達の気持ちが持ってかれてる。ついでになんか緊張が解けてる。まってよ……このままじゃ、あの子達の中の私の順位……最下位じゃね? これはヤバいと、私はライブめっちゃ張り切った。

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