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閑話 ある日のシシの日常5

「そういえば、どうしてクリエイトさんはエデンに居るんですか?」

「ああ、そのことか。それはエデンの方が最新だからだよ」

「最新……」

「そう、知ってると思うが、今どんどんと地上が暮らし易くなってるのはエデンの技術があるからだ。エデンで沢山の物が発明されたり、エデンから昔からある技術が発掘されて、それを再現した物を地上に降ろす事で私達はその古代の超技術の恩恵にあやかってる」

「そうですね」

「だからアンティカの研究もこっちの方が進んでると言うわけだ」

「なるほど、じゃあ研究に協力してるってことですか?」

「まあ……な」


 なんか最後の部分が曖昧だったけど、普段は見れないクリエイトさんの表情がバシバシと撮れてるからよしとしよう。なにせ人種の中に生まれた新英雄である。メディアに出るときは大体キリッとした表情しか見せてないから、こういうのはきっと需要があるだろう。


 元々が女性にしては大きくて、ちょっときつめの顔してる人だけど、素材としては悪くはないパーツをしてる。それに鍛えてるから、スタイルもいいし……ある意味アイドルも……ううーんでもグループとしては厳しいか。ミラよりも頭二つくらいは大きいから、バランスという面でこの人を入れるグループとなると、センターに置くしかなくなる。


(けど、無駄な想像だよね。この人は軍人だし)


 でもある意味で、軍人だからこそ、上の命令には逆らえないのでは? ラーゼ様が鶴の一声を言えば、アイドルになりそうではある。


「今って暇してるんですか? 休暇とか?」

「はは、こうやってるのだって仕事だよ。休暇はそうだね、体を休ませる分があったくらいだね。それも君たちメディアが飽きる頃にようやくだよ」

「……ご、ごめんなさい」


 そういえばそうでした。世界に星が落ちてきたあの危機の後、新たに誕生した英雄は大々的に宣伝された。本当は英雄は三人くらいいるんだけど、世間的に発表されたのは彼女、クリエイト・クーシャネルラさんただ一人だ。色々と理由はあるんだろうけど、私は詳しくはしらない。


 彼女は星の主にさらわれたラーゼ様を体を張って守り、そして最後にその星にとどめを刺した本人として、誰からも避難なんてされる事無い完璧な英雄的な感じだ。それを世間が求めない訳なく……そしてそれを利用しないラーゼ様でない。


 エデンが推し進めてた、ネットワーク? 的な設備をここぞとばかりに無理矢理導入を推し進めて、世間全てに彼女を、新英雄を喧伝したといってもいい。そしてそれには私達プリムローズだって関係してる。そもそもがラーゼ様はそこまで多くテレビに出ない。


 まあ立場が立場だし、今やラーゼ様は人種の頂点とか超えちゃった位置に居るってのが大きい。だからそれを担ってるのが私達プリムローズである。


「そういえば、どこに向かってるんですか?」

「ちょっと友人に会いに行こうとおもってね。昨日も一緒に飲んでたんだが……いつの間にか一人で路地に投げ出されてたからな。文句でも言おう……いや、今のは無しで! 使っちゃダメだからな!」


 面白い事を聞いた。にまーと私は笑う。するとクリエイトさんは面白い様に慌ててる。てか、とっても無邪気な顔しますね。いつも堅苦しい雰囲気醸しだしてるのはやっぱり英雄としてのキャラなんだなって思った。

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