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閑話 ある日のコランの日常4

 シシちゃんはその日、夜の収録もラーメン浸したの気にしてちょっとテンション低かった。まあ素のおかけで、テレビの収録の時のお洋服がいつもよりもまともだったから良かったと思います。まあ逆に、ミラお姉ちゃんとフィリーお姉ちゃんに驚かれてたけどね。


「ど、どうしたシシ?」

「なにか落ちてた物でも~食べたの~?」


 ミラお姉ちゃんはともかく、フィリーお姉ちゃんはちょっと酷い。流石のシシちゃんでも落ちてる物食べたりしません。いや、昔の私達なら、そのくらいふつうだったと思う。だって昔は食料は貴重でした。増えて行く人種に対して、土地を広げるなんて事が出来なかったから、食糧問題は常にあって食べられるならおいしく無くっても食べるのが普通でした。

 

 そもそもが、おいしい物、食べられるものが毎日の様に大量にあるなんて……数年前には信じられない事です。そもそも人種の土地はマナの恵みが薄い土地でしたし。まともな教育を受けれる様になって私も初めて知りましたけど、そうだったのです。

 ファイラルはその中でも特に何も育たなかった、枯れた大地の領土だったんですけどね。普通はマナの濃い土地と言うのは上位の種が押さえてる様です。まあそうですよね。弱小……というか最弱の人種には土地を選ぶ権利なんて当然無いわけで、一番誰もほしがらなかったこの土地に根付いたそうです。


 けど今は植物の育ち具合とか、逆に早くなってるみたいです。そのおかげで人種の食料問題は解決されてます。それもこれも、この土地にクリスタルウッドが生えたからなのです。世界樹事、クリスタルウッドさんが痩せたこの大地にマナを満たして、逆にどの土地よりも肥えた土地へとなったそうです。


 そしてそれを成したのは我らがラーゼ様。既にラーゼ様はファイラルにはいないけど、ラーゼ様がいなかったら、今も沢山の人種の子供達が飢えに苦しんでた筈です。今ではお店が沢山出てきて、そこではいつだっておいしいご飯が変えちゃいます。お弁当というパッケージされた同じご飯とおかずの詰め合わせがお手頃な値段で売ってるのです。


 まあ私達プリムローズがそれを食べる事はないんですけど……でも売り出す前の試食はしました。普通においしかったです。それには食べて良い期限がちゃんと決まってて、その時間に近くなると、更にお値段がお安くなるそうです。


 しかも実際はその時間が過ぎても完全にアウトな訳ではないみたい? そういうのはいったん回収して買うことも出来ない人たちに配ってるみたいな話を聞きました。食べものを捨てる位なら、そっちのほうがいいですよね。なんたってこの国には残飯だけを食べて生きながらえてた子達だって居るのです。


 それを考えると、多少期限が過ぎていたって、ちゃんとしたご飯が……しかも色んな具材がある料理が食べられるなんて夢のようなのです。


「コランちゃん~大丈夫?」

「大丈夫じぇす!」


 私はフィリーお姉ちゃんの言葉にそう返した。だって涙とかでまともに喋れないだもん。私達の今日の収録のテーマは『食糧事情』だったのです。色々な映像とデータ、そんなのを見せられて昔と今の比較なんてされちゃうと涙出ちゃうよ。


 きっとこれを見てる人たちだってそうだろう。そして最後に『ラーゼ様に感謝を』で締めくくりです。これ、絶対に言わないといけないのです。

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