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Ω192

 陣は完成して、そしてマナも陣に行き渡った。陣が赤い光を強く出してる。その力を少し漏らしただけで、壁の様に迫ってた鎧達がガラクタへと変貌した。なにせこれから星を破壊しようと渦巻いてるマナである。その石には破壊と言う物騒な思いが宿ってる。

 だからこそ鎧共はガラクタへとなった。これで今からあの星を破壊する。複雑に絡まった陣が回り出す。早く回る必要はない。ただ、ゆっくりと、追い詰める様に……そして陣がどんどんと小さく……というか星にまとわりつくようになる。


 今、あの星には世界樹の根が星全体を覆ってる。だからまずはそこに陣が絡みつく。世界樹の根は力を込めて対抗しようとしてるのがわかる。ギチギチと星がきしむ音が聞こえる。本当は派手にためたマナを放って星を破壊するとかしたかった。


 けどそれじゃあ危ないって事になってこうなった。本当なら陣の構成を変えれば出来たんだよ? 派手にビーム一閃で星にでかい穴を開けてぶっ壊すって事。でも、安全策になった。これならマナを無駄にすることもないしね。それに陣は完璧に私の支配下にある。


 手からマナだけを放つと、その後何が起こるかわからないこともある。まあ普通は超特大のマナに干渉出来る存在なんてそうそういない。けどアラガタの奴はそのそうそういないの中に入る奴なのは確実だ。なにせ昔世界を取った奴だ。だから安全策。


「もう限界が来てる世界樹なんかじゃ、防げないわよ」


 私は更に力を込める。すると星を覆ってる世界樹の根の壁というか、ネットというか、そんな感じの物に亀裂が入る。陣がぐいぐいとそれに食い込んでいくんだ。この歩みは止められないよ。でも思ってたより脆いと思えるのは、やはり向こうが限界だから? それとも新たに鍵を得たからかな? プリムローズの援護もあるし、やっぱりちゃんと影響を与えてくれてる気はする。


 なにせこの星からも歌の反響というか、何やら同調する様な波動を感じる。それがきっとあのマイクの主が言ってた仕込みなんだろう。おかげで、ここまで順調である。ついには世界樹の根の膜は崩れ去って、大気が現れる。大気は生涯にはなりえない。このまま地表に陣が到達する。


「さあ、ここからだよ」


 今、きっとあの星の地上では地獄絵図が巻き起こってる筈だろう。空から落ちてきた巨大な何かのせいで、地面は割れて山は噴火し、世界が黒く染め上げられてしまってる。けど大丈夫、あの星には生物なんていない。嘆く魂なんて存在してない。


 宇宙からでもわかる位に、星の形が歪んでる。陣によって締め上げられて、崩れようとしてる。


「何かアラガタが仕掛けてくるかもって思ってたけど、打つ手なかったの?」


 ちょっと拍子抜けな感じもするけど、これで終わるなら万々歳だ。私は最後の仕上げに取りかかる。更にギチギチに陣が星の全てを覆い尽くすようになる。


 そしてありったけのマナを送りこむ。赤かった光が白くなる。


「離れるわよ!!」


 私はゼウスに向かう。私の声を聞いた奴らも星から距離をとる。そして臨界点に達した陣が星一つを消し飛ばす超爆発を巻き起こした。

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