Ω188
羽が生えた私はそれなりに早く移動できるみたい。よく考えらこの状態になって動き回るとかした事なかったかもしれない。宇宙は何もない……とか思われがちだが、案外宇宙にはごみがある。ゴミというか、石みたいなのが漂ってるね。
これでも前の世界の様に人工衛星とかがある訳じゃないから、まだましなんだとは思うけどね。まあそれにゴミが私のいくてを阻むわけではないしね。この状態の私は周囲にマナの防御膜みたいなのを展開してるから、私の肌にゴミが触れることはない。その前に、防御膜に触れて消えてなくなる。
「ふむ……やっぱり迷わず向かってくるね」
どうやら歌の効果はみられない。いや実際は効果は出てる筈だ。だからこそ。アラガタは星に戻ったんじゃないだろうか? 奴はあの星の支配者だ。奴がこの鎧ども操ってけしかけてる筈。世界樹にはそんな知能はないだろう。世界樹は世界と密接につながってるから、歌の影響から逃れることはきっとできない。
けど、その星の支配者である奴の命令とかなら、指示系統なら、別枠なのかも。つまりは直接アラガタが捜査してるからこそ、この鎧共には歌の影響がみられないのかなって……まあ推測だけど、そこまで外れてはないような気がする。
でもそれだけじゃない気もする。
「なにせこれってそこまで確実性が高くないよね?」
そういう事だ。はっきり言ってアラガタが出張ってきた方が確実だ。まああいつは一人しかないから、そこがネックだったのかもしれない。世界樹はプリムローズの歌で援護できなくななったしね。ボッチは手が狭まっちゃうね。自分のボッチ属性を呪うがいい。
そんな事を思ってると、何やら後ろからビームが飛んできた。どうやらなかなか追いつかないから遠距離攻撃も交えてきたらしい。まああの鎧ギミックとか凄そうだし、ビームとか出してもおかしくないかもしれない。なにせ奴らの星の都市は、無人だったが発展はしてた。なぜに無人で発展するかなぞだけどね。
アラガタやカンガタが肉体派タイプな戦闘スタイルだから、そういう攻撃もするんだ……と妙に感心する。まあアイツらは元は一人だったのが、分裂したらしいから、戦闘スタイルが同じになってるのは仕方ないか。
でもいくら撃とうが残念だけど、私にはきかない。てか奴ら程度の出力の攻撃では私の防御膜を破るなんて不可能だ。
「ラーゼ様!」
「ラーゼ!!」
そういって私を追いかけてくる鎧どもをゼロとファーストが削っていく。けど大量過ぎてそれも意味をなしてないね。
そこまで星から離れる訳にもいかないから、振り切るって事は無理だ。まあこいつらを引き付けるのが私の役目だし、振り切っては意味ないわけだけどね。でも一体、この鎧は何体あるのか……こっちの進路を予想したのか、鎧の塊が別方向からも伸びてきてる。
そしてどっちからも無数の光がきらめくのが見えた。
「あんた達は離れなさい!!」
前と後ろから無数のビームが私へと降り注ぐ。