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Ω180

 コランとシシ、二人は夢中で私の指をハムハムとしてる。それはもう異常のように……ね。可愛い二人にハムハムされるのは私としては全然良い。けどこのまま二人を愛でてるわけにもいかない。だって宇宙では戦いは続いてるし、なんかこの星全体に異常が起きてるみたいだ。


 とりあえず二人に負荷をかけるのは私としては反対だ。だって二人はただの人である。それに子供だ。あまり異常なマナに侵食してほしくない。だから二人のマナをこちらに取り込んで、私の純粋なマナを同時に二人へと送れば、それでどうにかなるのでは? とか思ったり。


(思ったら実行だよね)


 マナの扱いに私より上の奴はいない。何せ私は常に膨大なマナを押さえ込んでるんだからね。そんな私からしたら、二人のマナなんて赤子のようだ。


「む……」


 赤子の筈なのに……なんかやけに抵抗される。このマナ……なんかおかしいぞ。シシとコランをまるで話したくないかのよう……


「誰よあんた? 私の可愛い子に何してくれちゃってるわけ? 返答次第では……消すわよ?」


 私は二人のマナに変な特性を持たせてるその存在にそう言うよ。私をなめるなよ。私は美少女達の事になると敏感なのだ。


『なるほど、神の器となるだけはある』


 その声はシシとコラン、二人の口から紡がれる。不思議な事に二人ともかわいらしい声をしてるはずなのに、何故か低い声に聞こえた。声が二つ分重なってるはずなのに、限りなく一つに聞こえるのも不思議だ。絶対こいつやばいことやってる。


「さっさと二人から離れなさいこの虫。駆除してやるから」


 私は怒りを静かに滾らせてそいつにそう言うよ。本当なら今すぐ二人を解放させてあげたい。こんなクソ野郎に二人を良いようにされてると思うと腸が煮えくりかえるよ。けど、それは我慢しないといけない。何せこいつはマナに深く入り込んでる。とても深く混ざり合ってると言っても過言じゃない。


 二人のマナはこいつという存在のせいで、濁ってしまってるんだ。無理矢理に色を変えられたと表現してもいい。水の中に塗料を投入されて締まったみたいな感じ。水と塗料を再び分離させるのは難しいだろう。マナもそうだ。

 上手く混ざり合ってるから、無理矢理こいつだけを消滅させるって事が出来そうにない。こいつが自ら出て行くなら、問題ないから脅すしかないね。でもこいつも馬鹿じゃないらしい。分離したら私に消されるとわかってる。だから離れようとはしない。


『そう焦るな。そもそも私は害意があって二人に溶けた訳じゃない。必要だからだ。私を殺すと世界を救えないぞ?』


 脅してんじゃん。世界を救いたい奴の台詞じゃないね。それに私的には世界なんて案外どうでも……まあ今なくなってもらっては困るけど。世界のためなんかじゃなく、寧ろ二人のためだ。私的には世界よりもシシとコランが大事だからね。


「二人に傷一つでもつけたら何があっても殺してあげる」

『私はもう生きてはないよ。ただ、最後の役目を果たすために出てきたに過ぎない』


 そう言って私からちょっと離れた二人はコランとシシで前と後ろで別れた。裸の二人は頭を大きく振ってふらふらしてる。とっても心配だけど、下手な事はできない。そして今度は私は二人にサンドイッチされた。二人の素肌のぬくもりが吹越でも伝わってくる。うん、最高。

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