Ω177
もじもじして私はその光の人の前に立つ。服は綺麗にたたんで地面に置いてる。パンツは良いかな? って思って履いたままでいようと思ったんだけど、注意されたからパンツも脱ぐことになった。
「これでいい?」
スゴイ……シシちゃんは威風堂々と言うたたずまいで一切隠してない。私は大事な所を隠すために左腕で右腕をつかんで、その右腕はまっすぐにおまたの方へと伸ばして、脚をくっつけてもじもじしてると言うのに……だ。シシちゃんくらいの度胸がほしいようなそうでもないような……それで良いのシシちゃん?
「ふむ……」
なんだろう、別段目の前の光の人に目はない。なんとなく光の粒が人の形を作ってるって感じだからです。けど……私はねっとりとした視線を感じる気がします。だから余計に恥ずかしいし、なんかぶるっと震える。べつだんここは寒くはないです。だからきっとこの人の視線のせいだと思う。
でも言えない。そうじゃなかったら、ただ私の自意識過剰だし。
「なんか気持ち悪い視線を感じるわよ?」
「失礼な、貴様達のマナを観察してるだけだ」
「ふーん」
どうやらシシちゃんは信じてないみたい。私もなかなかに信じれない。本当にマナを見るために脱ぐ必要があったのだろうか? 私達にはそんな能力がないから、必要だと言われれば、そういう物なんだろうとおもうしかないわけだけど……やっぱり絡みつくような視線を感じるんだよね? それはきっとシシちゃんのほうが感じてるんじゃないのかな?
シシちゃんは最近どんどんおっぱいとかおっきくなってるし……私はまだまだようやく膨らんで来たかな? って位だ。見てて楽しいはきっとシシちゃんだと思う。それなのにあれだけ堂々としてられるのはやっぱりスゴイ。
「さあもっと近くに来るんだ」
そう言われて私達は顔を見合わせた。この人? に近づいて大丈夫だろうかって事だ。
「どうした? 世界を救いたいのだろう? あの神の器に鍵を渡したくないのか?」
そう言われては私達としては近づかないわけにはいかない。私達が迷ってる間も、戦いは続いてるんです。この星の上では沢山の人たちがきっと頑張ってる。なら私達も頑張らないと……私はシシちゃんに手を引かれて歩きます。そして光の人のすぐ近くまできた。なかなかの大きさ……普通の大人の人よりも大きい。
「さあ、我を抱きしめるのだ」
両の手を広げてそういう光の人。やっぱりこの人変態じゃないのかな? さっきから納得いかないことばっかり言ってくるんだけど……
「それって必要なの?」
たまらずシシちゃんがそう聞いた。うんうん――私も同意して頷く。
「マナを同調させるためだ。時間がないぞ。このまま自然に任せても手遅れになるのだ。直接ふれあう事でそれを早める。まあ、今の私はこんなだ。実際抱きしめた感覚などないだろう。ためらう理由があるか?」
「ちっ……コランは後ろからしなさい」
シシちゃんは優しい。正面を引き受けてくれるらしい。私は頷いて後ろにとてとてと回った。そして二人同時に両手を広げて、光の人を包み込む。その瞬間、光の粒がはねた気がする。確かにこっちには別段何もない。感触とかもね。けど向こうにはどうなんだろうか?
なんかモヤモヤするけど、私とシシちゃんは光の人を抱きしめ続ける。