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Ω176

「大昔、我らの時代からいつかはこのときが来るのはわかっていた」


 そういう光が集まったその人。その人は私たちを見てる様な……見てないような……別段目とかがあるわけではないからちょっとわかんない。怖くはなくなったけど……私たちはやっぱり非力な存在だ。それをこの人の前では感じざるえない。


 ただこうやって向かい合ってるだけだというのに、私たちの重ねる手には汗がにじんでる。ここに行きなり来た時に急速に引いたんですけど……今やまた汗が出てきてる。


「出来ることはある。ようやくいろいろとそろった様だしな」

「本当に!?」


 私のその勢いに、その人は頷いた様に見えた。するとシシちゃんがこっそりといってくる。


「コラン、あんまり信用しちゃダメよ。私たちを騙す気かもしれないし」


 そっか、確かにそれもあるよね。シシちゃんはいろいろと考えてるんだね。偉い! けど、私的にはこの人からはあんまりイヤな感じはしない。けど、いつまでも向かい合ってたくはないけど……多分この人はとっても強い。というか、存在が大きい? 私達は、自然と緊張しちゃう。


「騙す気などない。やはり色々と足りないな」

「足りない? それが足りなかったら困るの?」

「そうだな、このままではこの世界に降りた神の器が困るだろう」


 神の器? それって女神様のラーゼ様の事? それは困る。ラーゼ様が困ってたら、私達かどうにかしないと。ただ、ラーゼ様は私達にどうにか出来る事でほとんど困らないんだけど……


「それって私達でどうにか出来る?」


 なんだか、シシちゃんはとっても警戒してるから、自然と私が目の前の存在と喋る係になってる。私の言葉に彼は頷いた。


「奴は今案内されて星の中心にいる。本当は貴様たちの様子を見るために降りて来たんだろうが、我らにとってはちょうどよかった。それに色々と今、このタイミングはそろってる」

「んん?」

「深く考える事は無い。これは大昔の盟約だ。残った我らと出て行った奴ら……そしてやはりこのときが来た。それだけの事。我らは鐘を告げる事を約束したのだ」


 やばい……この人が何を言ってるのか、全然わかんない。私もちゃんと勉強してるんだけどな。今やファイラルでは沢山の学校があってそこで皆が勉強を受けられる様になってる。流石に私は学校には通ってないが、ラーゼ様が用意してくれたスゴイ人に色んな勉強を教わってる。


 だけどこの人の言うことはちんぷんかんぷんだ。てかわざとそう言ってるとしか思えない。


「これも大昔、神の残した……いや、お前達にとって大切なのは今だろう。なら……よし、脱げ」

「ん? 脱げって?」


 何を? そう思ってると、なんかいつの間にかめっちゃ近くにそれはきてた。


「お前達が我を常に側に置いてなかったせいで、我とお前達とのマナがまだ完全になじんでない。このままでは鍵になり得ない。必要なのだ。だから……その身に纏う物をすべて脱げ」

「なななななななな! シシちゃん、変態だよこの人」


 人じゃないかもしれないが、変態ではあるよね!? でもシシちゃんは真剣な顔して聞くよ。


「それが……本当にラーゼ様のために必要なの? 証拠は……なに?」

「証拠は脱げばわかるだろう」


 いや……それは脱いでる時点で意味ないっていうか……


「何を迷う必要がある? 我はただ存在だけが残ってるだけだ。貴様達に求めるのはマナだけだ」

「そうね……コラン」


 確かに……この人は光が人の形を模してるだけだ。恥ずかしがるとか……そんなのが間違ってるのかも。てかすでにシシちゃんが脱ぎ始めてるし。でも誰かの前で裸になるってだけで恥ずかしいよ。


「大丈夫だから、そんな奴を信じる必要ない。私を信じなさい」

「うん」


 私はシシちゃんにそう言われて、服を脱ぎ始めた。

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