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Ω154

 アラガタとの戦闘は大変そうだなーとか高を括ってたわけだけど……絶賛今、こっちも戦闘中である。別に戦闘領域にいるから戦ってるとか、そういうことを言いたいわけじゃない。事実として、私達も戦ってるという事だ。


「機雷を落としまくれ!!」


 そういう艦長さんの言葉。今やこの星の近くには機雷が散乱してる状況だ。なぜにそんなあぶない事をしてるのか……それは星から世界樹の根が伸びて来たかからに他ならない。だからこうやって自分たちと星の間に機雷という壁を作ってるんだ。

 それが出来るのは今の所このゼウスしかない。なにせ部隊の皆は、陣を描くためのマナの放出装置を背負って飛行ユニットに乗るので精一杯で武器なんて持って出てないのだ。彼等に出来ることは逃げることだけ、だから伸びてくる世界樹の根に対応するのはゼウスの機能に掛かってる。


 既に砲門にもそれぞれ人を配置してさらにゼウスは周囲に結界を張り戦闘態勢に移行した。この結界はかなり強力だから、世界樹の根でも簡単に破る事は出来ないだろう。けど捕まってぐるぐる巻きにされて締め付けられたりしたらヤバイ。


 だから捕まる訳にはいかない。


「第二波――来ます!!」


 オペレーターの子の声が響く。実は第一波でかなり危なかった。なにせいきなりだったしね。けど、それは何とかしのいだ。運がよかったのももちろんある。どうやら星はずっとこっちに攻撃をし続ける余裕はないのか、直ぐに引っ込んだのもありがたかった。


 そしてその一回で終わるなんて楽観視する奴はいない訳で、機雷はこのための対策だ。かなりの数の機雷をまいた。星から延びてくる世界樹の根は気持ち悪いくらいに多い。流石は星の規模。てか最初よりも多い。向こうも第一波は準備とか、小手調べとかだったのかもしれいない。


 私達と星との間の機雷が世界樹の根によって一斉に爆発してく。奴らはバカだから避けるなんていう高度な事はしないようだ。それで一瞬ゼウスの中には「よし!」てな空気が流れる。でも流石に上の奴らはそんな楽観的ではない。


「油断するな!! 観測班漏らすなよ!!」


 艦長さんの鋭い声に、スタッフ達が気を引き締めなおす。皆直ぐに「はい!」と気持ちよく答えた。信頼が見える光景だね。


 そんな事を思ってると、機雷を超えて襲い掛かる世界樹の根の報告が届く。かなりバラまいたはずだが、数が減ったようには見えない。少しはダメージもあるだろうと思ってたが、それも……直ぐに艦長さんは砲門の人達に支持をとばし、撃つ許可を与える。


 角度的に主砲が撃てないのがつらい。両翼についてる二基の砲門だけでは足りないだろう。まだゼウスはいいけど……この数から飛行ユニットの子達が逃れられると思えない。


「私も出ましょう」


 そう言って私は立ち上がる。

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