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Ω149

「ベール様!!」

「クリエイト!!」


 私はゼロのおかげで難を逃れた。実際、私が操作をしてたら間に合わなかっただろう。私はかなりゼロへと権限を与えてるからね。ベール様やカタヤ様はきっと私みたいにAIが機体操作までやる事を許可はしてないだろう。けど、それが明暗を分かった。


 私は無事でベール様の機体は右側の腕と足をなくしてる。カタヤ様? あの人は自力で回避してた。なにせファーストは私達三機の中で一番機動性が高い。それを活かしたんだろう。そしてベール様がやられたのは機体の遅さもあるだろう。


 なにせベール様が乗ってるセカンドは一番鈍重だった。遠距離から正確で高威力な攻撃をするってコンセプトの機体だったからそれはしょうがない。逆にファーストは機動性を生かしての近距離戦闘特化だ。そして私のゼロは中度中間。


 中途半端とも器用貧乏ともいうけど、私はゼロの操作もあってなんとか今のを切り抜けた。


『構うな……まだ、何とか動く』


 ベール様からの通信。息も荒いし、声に苦痛が混じってる。もしかしたら負傷してるのかも。うまくコクピットは交わしてるように見えたが、腕と足を持ってかれる程の衝撃だし、どこか負傷しててもおかしくない。けど私達にもベール様に構う余裕がない。なぜなら……


「ゼロ、射線予測多すぎ!」

「これでも足りないくらいです」


 リアルのアラガタの動きに、重なる様に表示される予測の動作。それが多すぎて画面を埋め尽くしてる。そしてコクピットのなかに響く警戒音が多数。


「音うるさい! 切ってて!!」


 私はそういって画面をかじる様に見て機体を動かす。かつてこれほど集中した事があっただろうか? いや、最近はよくかつてないくらいを更新してる気がする。なにせここ数日はとても濃い日々だったからだ。アラガタはシンプルな強さを誇ってる。


 何よりも速く動き、そして誰よりも強靭な体、それがまさに武器だった。形態は今までと変わりはない。本体にスペアみたいな腕が六本自立稼働型みたいになってる。


 けど今、その体からは蒸気のような物が立ち上って、表面に光が走ってる。そしてその光が、アラガタが動くたびに軌跡を描いて残るんだ。奴は予備動作なしで動く。気づいたら目の前にアラガタ本体か腕がある。自立型の腕はそれだけでアンティカを握りつぶせるくらいには大きい。捕まったら終わりだ。


 奴らの動きが速すぎて予測過多になってる。音は切ったが、気は抜けない。ずっと命にロックオンされてると常に意識しないといけないからだ。この状態になって、赤いマナの影響さえ感じれない。


(次は私……)


 その考えが頭をよぎる。だって機体の性能的にもそうなる可能性は高い。どうにかしたいが、まだ武器がない。あったとしても……だけど。このままじゃじり貧だ。私達の攻撃はアラガタへと通じて無いんだから。一人……また一人とこのままじゃやられる。


(どうしたら!!)


 そう思うが、簡単にいい案なんて浮かんでこない。

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