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Ω145

 流石に星を包む……となったらそれなりに時間がかかる。ゼウスはもっと早く動けるはずだが、ほかの部隊との兼ね合いか、かなりスピードを落としてる。かなり複雑な陣になる筈だし、兼ね合いがあるんだろう。けど、なかなかに煩わしい。


「ちょっと、こんな悠長にやってたらカタヤ達やられるわよ?」


 私はいらいらしてヘビにそういうよ。いやいや、私が短気な訳じゃないからね。私は自分で言うのもなんだけど、結構気が長い方だとおもってるよ。寛大だしね。でも今のゼウスのスピードはちょっといただけない。わかるよ……飛行ユニットに乗ってる人達は生身だ。


 あんまりスピードを出すのも危ないし……そもそもが大きさが違うゼウスと飛行ユニットでは馬力が違う。けどそんなの言ってたらタイムリミットだよ。アラガタの奴だって私達が動き出したことはわかってるだろう。悠長に待っててくれるなんてわからない。


 てか、そんなわけないよね。自分が負けそうなのに悠長にやってるやつなんかいない。絶対にアラガタは動くだろう。


「どうしようも無いのですよ。あなたが祈れば女神がほほ笑むかもしれませんよ」

「冗談言ってる場合じゃないでしょ」


 蛇の奴め……それって結局は神頼みじゃん。確かに私自身が女神みたいなものだし、私が祈れば全世界の神様がこぞって願いをかなえてくれるかもしれないけどね。でも神様という存在は案外何もしてくれないと私は知ってるのだ。


「どうにかできない訳?」

「そういわれても、これでもエデンの計算を元に算出した最も効率の良い方法ですよ」

「確かにそうかもだけど、無茶も計算に入れなさいよ」

「そんな無茶な……」


 蛇の奴が呆れる様にそういうよ。けど、無茶せずに乗り越えられる状況でもないはずだ。だからそれを入れるのは当然だと思うんだけど? 


「皆、精一杯やってます」

「努力なんて皆やってるわよ。努力したけど星を守れませんでしたっていうわけ?」

「わかってますよ。それでも……何か方法があるとでも?」


 私が正論をぶちかましたせいでヘビが不機嫌である。まあこいつだってこんな悠長にやってていいはずがないって思ってる筈だしね。けどどうにも出来ないからいらいらしながらも見てたんだろう。


「飛行ユニットの動力って魔光石よね?」

「そうですね」


 魔光石はマナを蓄える事が出来る鉱石だ。私も供給してるが、私のは出力重視で長くはもたない代物だったからきっとあれに使われてるのは違うよね。もっと出力を出せれば、きっと速く動くことが出来るはず……


「マナを無理矢理供給すれば出力上がるんじゃない?」

「ちょ!? 待ちなさいラーゼ!!」

「ていやあああ!!」


 私は腕を前に伸ばす。別にそんな動作は必要ではないが、気持ちの問題だ。私はマナを操って部隊に届ける。するとどうだろう、彼らの動きが一気に早くなった。やったぜ!! 私はどや顔を披露してやった。

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