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Ω141

 食事を終えて私は口を拭いてもらう。流石は私の為に用意された料理。最高級の食材を最高峰の料理人が調理したんだろう。とても満足が行く物だった。宇宙を眺めての食事というのもなかなかに乙なものでいつもと違って良かったよね。


「さて、どう?」

「どうって、一応聞いていたでしょう?」


 ヘビの奴が私の言葉に呆れた様な視線を向ける。けどその視線が私の口元をぬぐったナプキンに移ったのを私は見逃してないよ。後でベララにヘビにあげないように言っておこう。立場的にはヘビが上だし、奴から迫られたらベララは断りづらい。だからちゃんと私のおことづけが必要なのだ。

 私の事前の言葉があれば、メイドたちは誰に対しても毅然とした態度を取れる。彼女たちを守るのも私の役目だよね。


「まあ聞いてたけど、よくわかる訳ないじゃん」

「でしょうね」


 わかってることを聞くとは、ヘビも耄碌したか? それとも久々に私とあったわけだし、じゃれてるのか? 私の予測的に後者だね。まあたった数日だったし、そのくらいならヘビと会わない日ってのはこれまでもあったと思う。


 けど、さっき抱きしめられて感じたけど、私はヘビの不安を感じたんだ。そして私を抱きしめての安心も感じた。今までは別に私は安全な所にいた。それはヘビが私を危ない所に行かせない様にしてたってのもある。私が出ないでいいように、軍を拡大して、エデンから齎されるの新たな技術を積極的に投入してた。


 それは実際、今ちょっと歪な歪みを生んでる。けどまあそこら辺はどうでもいい。便利になる、強くなるのなら、私が楽になるんだから何も悪いことはないよね。まあ勿論、一応羽持ちの奴らの言う事はきいてるけどね。


「エデンから理論上星を破壊できると思われる陣を作成してもらいました」

「うんうん、後はそれを描けばいいって事だね」


 楽勝じゃん。まあ滅茶苦茶マナを消費する影響がどうなるか……これに対抗するであろう向こうの世界樹がどう出てくるのか……とかそこら辺はどうなってるんだろうか?


「そう簡単ではないですよ。これは最初の突貫です。まずはこれの前段階の陣を展開させます。そしてそれで向こうの星を分析するそうです。それでさらに詳細を詰めたさらに複雑な陣を作成する必要があるようです。そしてそれがどれだけ複雑な陣になるかはエデンでもわからないという事ですよ」

「なるほどね……」


 やっぱり一筋縄ではいかないね。けど間違う事は出来ないんだし、それだけの慎重になるのもわかる。まあ問題は時間だね。


「戦闘はどうなってるの?」

「今は何とか善戦してますよ。ゼロも参戦して第一機甲師団はそろってますしね。ですが増援を送れませんからね。現状の戦力で抑えきれるかは不明です」

「エデンにアラガタの情報を出させたんでしょう?」

「それは勿論ですよ」


 なんかヘビの反応が芳しくないね。敵を知り己を知れば百戦危うからず――とかどっかの誰かがいったんじゃなかったっけ? 情報があるのは大きいでしょう。


「なにせ古い情報ですからね。それに……」

「それに何よ?」


 私のその言葉に視線を戦場の方へとヘビがむける。その視線は厳しい物だ。そして重い口を開いた。


「アラガタとラーゼが呼ぶあの種の力は荒唐無稽過ぎるんですよ。しかもそれは星を得る前の段階でです。自身の星を得て年月を経たあの存在はさらに強大な力を有してるとみるべきです」

「ちょっと待ちなさいよ。それじゃあクリエイト達は……」

「確実に負けるでしょうね。私には今の段階で勝てるビジョンが見えません」


 それは残酷な言葉だった。誰も死ぬ気で戦ってる奴なんていない。勿論カタヤたちにはその覚悟はあるだろう。けど……そんなの……私はお腹も膨れたし、早速動くことにするよ。


「何やってるのよヘビ! さっさと陣を描く為にゼウスを動かしなさい!」

「……そういうところですよ」


 何やらヘビがつぶやいたが、そんなのは私の耳には入らなかった。やる気も出てきたし、ここは私の名のもとに号令を掛けよう。私の言葉はそう、絶対だ!

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