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Ω139

(間に合わない……)


 その意識が頭によぎる。けど――


「ここで死んでどうするのよ私!!」


 そう言って私は気合を入れた。気合を入れてどうなる? いや、戦場気合は重要だ。あきらめれた奴から死んでいく。諦めなければ死なないかっていうとそうでもない所が現実は世知辛い。けどやっぱり個人的には気合は大切だとも思う。


 私は必死にゼロの体をひねる。なんとかギリギリ行けるか?  そんな感じ……僅かに脇腹を抉るかもだが、ぞれでもこれなら……


「くううううううう……」


 ……大きくゼロが揺れて体をひねってた方向に機体がながれる。何とか避けたのはいいが、背中のユニットの一部に直撃した。それの衝撃がゼロを揺らす。


「損傷率は?」

「それはここを乗り越えてからでは?」


 ゼロの言葉は最もだ。何とか避けたが、ここで追い打ちをかけられれば今度こそ本当にやられる。そしてアラガタはここで私を殺そうと既にもう一度銃を構えてる。早すぎるよアイツ……ぞれに既に私が鞭でつけた傷がなくなってた。


 マナを使って自己回復? それともあの程度なら自動回復でもするのだろうか? わからない。けど、事実として私がつけた傷は既にない。てかよく考えたら、さっきからカンガタとカタヤ様はずっと戦ってるのに、奴本当は綺麗なものだった。


 善戦してると言っても二人でも……いや、ベール様も狙ってるから三人でも事実、アラガタには届いてないんだ。これは果たして善戦してると言えるのか? 


「ゼロ、ミラージュ!!」


 運よくまだ赤いマナの濃い範囲に私とアラガタはいる。なら、出来るはずだ! アラガタの腕から再び光が走る。それは弱体化なんか感じさせない全てをチリへと変える一撃だ。向かい合ってみてよくわかる。こいつやっぱり化け物だ。


 けど、その光が私達にあたる事はない。なぜならアラガタの奴が撃った場所にはゼロはいないからだ。


「このマナの影響か」


 アラガタは自分の攻撃が外れたことを瞬時に悟り、そしてその原因まで一瞬で見抜いた。なんてやりにくい奴だ。そこまでの力を持ちながらもちゃんと状況を分析してる。そして私達のようにAIに頼る必要もない。


「気色悪いマナを使う。貴様は気づいてるか? このマナのおぞましさに」


 マナのおぞましさ? そんなの考えた事もなかった。赤いマナは単純に私は結構きれいだなって思ってたし……けど考えてみれば、マナは命の源。それを改造して扱ってのが、ゼロだ。アラガタとかマナを敏感に感じ取れそうな奴には確かに気色悪いことなのかも。

 なにせ奴らがマナを使うって事とはたぶん根本的に違う気がするし。


(けど、それならラーゼさまも同じように思ってるんじゃ?)


 このアラガタなんて言うやつとラーゼさまを同列に語るなんかしたくないが、ラーゼさまもマナをこいつと同じか、それ以上に扱える人だ。なら……


「クリエイト下がれ! 今のゼロじゃ奴に対応できない!!』


 そういってカタヤ様の輝くアンティカがアラガタへと切り込む。確かに鞭をなくした私は接近戦も中距離戦も厳しい。ゼウスがいるんだから一度換装を行うべき……いや、武器だけなら射出してもらえる。それよりもここはカタヤ様のサポートだ。


 アラガタは強い。きっとまだまだ強い。だから、せめて私はこのマナを出し続けるべき。私の勘がそういってる。

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