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Ω129

 私はゼロを見上げて立ち尽くす。何やらゼロはフレームが見えてる部分もあって、どうやらまだ準備が出来てない様なんだ。


「すんませんねクーシャネルラ様! けど、最高の状態に仕上げますんで少々お待ちくだせえ!!」


 そんな事を言ってくれるのは整備責任者のおじさんだ。荒っぽい言葉遣いだが、やる仕事は信頼できる人だ。それにあんなんでも部下たちの信頼も厚い。


 だからここは焦らずに待つしかない。そもそもフレームむき出しで出撃したってまともに戦力になるわけないし……


「クーシャネルラ様、終わるまで新しいマニュアルが或るんで目を通しててくだせえ! そこに或るんで! てめえら、しっかりやれよ!」


 荒い言葉で部下を奮い立たせてるおじさん。私は指さされた場所に置いてあるデバイスを取る。それを指でタッチすると画面がついた。


「これって……」


 私はちょっとこのマニュアルに目を通してそう呟いた。いや、思わず声が出てしまった。だってこれって……


「ネジマキ博士から伝言ですぜ。何とか間に合わせてやったから、大量にデータを持ち帰れって

でさぁ」

「そうなんですね。ありがとうございます」


 私は食い入るようにマニュアルを読む。本当はこんなビッシリの文字なんて読むの苦手なんだけど、アンティカ関連ならば話は別だ。いくらだってアンティカの事なら吸収出来るのが私だ。アンティカバカとは私の事だ。


 私は夢中で読んで何分経っただろうか? おじさんに声を掛けられるまで、全ての情報を遮断してたから呆れられたよ。けど既にゼウスのクルーとは顔見知りだし、ある程度は私の事をわかっててくれるから嫌な顔はしてない。


「こっちは完了だ。そっちはどうだ?」


 そういわれたら、無理……なんていえるだろうか? 私は無理だ。試すようなおじさんの言葉に私はマニュアルを置いてこういうよ。


「勿論行けます!」


 再び目線を上げると、新たな装備を纏った赤いアンティカ、ゼロが完成されてた。上半身はなんかスリムになった気がする。けど足はとても変わってる。ロングスカートをゼロが纏ってる。赤を基調としてシルバーが入った色合いになってる。更に背中のユニットも変わってるかな。けどまだ展開してないから、全体像がつかめないかも。腰には両側に鞭みたいなのがついてる。


 マニュアルで見たが、あれは中距離まで伸びるらしい。ゼロがカタヤ様よりも後ろでの支援と遊撃を担う役割は変わってない。だからこそ中距離武器なんだろう。遠距離はベール様が銃で担当してるしね。


 私は早速コクピットへと入る。ディスプレイに光が走るとともに、沢山の文字列が流れ出す。新しい装備との接続を確立してるんだろう。そして……


『全ての準備が完了しました。クリエイト、いけますか?』

「勿論……行くわよゼロ!」


 何事もなかったの様に言うゼロが嬉しかった。私の事信じてくれてたって事だよね。私は……いや、私達は再び戦場へと飛び出す。


「クリエイト・クーシャネルラ、アンティカゼロ――行きます!!」

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