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Ω123

 私達はクリエイトを回収した。自由度が高いカンガタの腕を伸ばしてもらって地下まで行ったのだ。案外クリエイトはボロボロだった。まあ世界樹の根の奴がクリエイトの方にも行ってたしね。良く生きててくれたよ。これは帰ったらクリエイトに思いっきり褒章を与えないとだね。


「ラーゼ様……なんで……」


 そう弱弱しい声でクリエイトが言う。なんで? どういうことだろうか? もしかして私ってそんな薄情な奴だと思われてた? まあ、確かに私は一番自分が大事だ。そこは間違ってない。だって誰だってそうでしょう。それに私って偉いし、可愛い。私が居なくなるのは人類の、いや、世界の損失だ。


 クリエイトも同じように考えてくれてるのかもしれない。そんな私なら、自分を見捨ててとっとと宇宙へと行くだろう……


「なんでも何も、頑張った子を見捨てるなんて私はしないわよ」


 そういって私はクリエイトの頭をなでる。実際はクリエイトの年上だし、体もがっちりしてるし、身長だって高い。完全にお姉さんはクリエイトの方だ。けど、私がなでなでしてあげると、クリエイトは嬉しそうだ。


「時間もないしっかり捕まっておけ!」


 カンガタが強くそういう。アラガタの奴に嫌がらせしたけど、あの程度で死ぬ奴なら星の頂点になんてならないだろう。だから急いでここを離れる必要がある。なにせこの星はアラガタの星だ。奴のホームグラウンド。命を懸けてるのに、敵に有利な状況で戦う必要性なんて全くない。

 私はクリエイトを引っ張ってその腕をしっかり掴む。まあ私の力なんて弱いんだけどね。握り返して来るクリエイトの力の方が全然強い。


 取り合えず腕を丸めて私達を包むようにしてくれるカンガタ。既に腕はこれしかないから、こうしてる間、攻撃手段はないね。カンガタは再び地面を蹴ってどんどんと上昇する。下を見ると、ドームの中に私達の列車が見えた。あれはこのまま置いてくしてかないね。ちょっと寂しい。けど仕方ない。


 どんどん空が近くなっていく。けど、この空は偽りなのだ。私達は黒い幕を通ってここにきた。この空の向こうに更に本当の空がある筈だ。装置を起動した影響なのか、近づくにつれてその違和感が大きくなる。よく見ると何やら波打ってる様にみえる。


 装置から出てる光の影響だろうか? カンガタは勢いを衰えさせずに空に突っこむ。まあ実際空にぶつかるなんて普通は考えないよね。でも私達は身構えるよ。まあ入って来るときも別に抵抗があったわけじゃないんだけどね。


 なので案外あっさりと私達は空を抜けた。すると再び空がみえる。それと同時に、大量の根がうねってるのも見えた。


 どうやら世界樹の奴に待ち伏せられたようだ。カンガタはただ真っ直ぐに進む。迷いはない。確かにそれしかない。私達は全員ボロボロだ。相手になんて出来ない。だから突っ切るしないんだ。

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