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Ω119

(ゼル、ごめんね)

(マナは我の食事だぞ。我を満たす程に流せるのか?)

(星、一つ分?)

(間食だな)


 どんだけ食うのよこいつ……とおもった。まあけどゼルには問題ないとわかればよろしい。空気中だってマナは満ちてる。アラガタや世界樹の根から無理矢理分捕るには触れる必要があるが、それ以外の意思に満たされてないマナなら私が集める事も容易い。なにせマナは漂ってるだけだ。そして私にはマナをカンガタに供給して出来た分の空きがある。


 ない所に集まろうとするのは穴に水が流れてく事の様に自然な事だ。だから私は何をする必要もない。だだ穴をあけてればこの星のマナは私へと流れてくれる。そして流れてくるマナはせっせと魂の回廊を通じてゼルへと流せば、私が満ちる事はない。根こそぎマナを奪ってあげようじゃない。


 それ続ければ実は勝てそうな気もするが、気づかれると世界樹を味方? につけてるアラガタには対策されそうだし、やっぱり簡単にはいかないだろう。あんまり贅沢はいわない。そもそもこんな星に興味はない。いつかぶっ壊すが、それは確実にぶっ壊せる時だ。今は厳しい。準備が整ってない。


 だからやっぱり今はなんとかアラガタ共の動きを鈍らせて、逃げる隙を作る程度に見立てといた方がいいだろう。宇宙空間に出さえすればやれる事もあるだろう。わざわざ星に入らなくったって、星を包む程の大規模魔法陣とか作ってそれでこの星のマナを吸い出してやれば枯れるんじゃないだろうか? 


 だって他の星の世界樹の巫女を取り込ませて生贄にしてマナを生産してるのがこの星みたいだし、多分円環が上手く機能してない。生命が溢れていれば、それらがマナを作ってくれるわけで、そしてその生物が死んだとき、世界樹はマナを回収して再び世界にそのマナを循環させてる。


 そしていつかそれらのマナは混ざり合い、新たな命として星へと落ちる。それが星の円環の理だ。円環が崩れると星に命は満ちず、マナは減り続ける。命そのもののマナが減っていくという事は、星の寿命が尽きるという事だ。


 この星はその寿命を延ばす為に他の星を食ってるんだ。アラガタは故郷であった星を自身の星に食わせる気。あの星の世界樹の巫女である私を食わせれば後はどうとでもなるのかもしれない。事実、私が向こうの星に侵食してるこの星のマナから人種とか国を守ってる訳だしね。


 今ならわかる、星に侵食してきてるマナはアラガタか世界樹の意思が多分に含まれてる奴だって。かえって同じようにここのマナを吸い込んでゼルに食わせるって事は出来なさそう。残念。


「このままでは共倒れだぞ!」

「だからってクリエイトだけ置いてけぼりになんて出来ないでしょ。あの子が頑張ってくれたのよ! いいからもう少し粘りなさい!!」


 文句を言うカンガタに私はそう返す。さっきから私はマナを吸い込みゼルのおやつにしてあげてるんだ。その内アラガタも世界樹の根にも影響が必ずある。だからそれまでは粘るしかないんだ。

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