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Ω117

「きた!」


 私はカンガタの腕の中でそういった。その中で宙に伸びる光の柱が立ったのが分かったんだ。これで全ての筈。クリエイトはやってくれた。実は世界樹の根が向こうにも行ってたのわかってた。けど、どうしようもできなかった。クリエイトを信じるしかなかった。


 カンガタは小手があるから大丈夫だろうとか言ってたが、私は不安だった。だってただの人種なんて本当に脆いんだよ? カンガタはそこら辺全然わかってない。けどどうする事も出来なかった。せめて大暴れして、こっちに気を引ければ……ともおもってたが、残念な事にカンガタよりも事実、アラガタの方が強い。


 だからこっちはこっちでギリギリだった。何かい、カンガタの腕がもがれたか……その度に私のマナを持って行って強制的に修復してたけど……それもそろそろ限界だった。私のマナは膨大だが、それは世界樹と繋がってるからと、ゼルとの魂の回廊のおかげだ。


 けど今は私の星の世界樹との繋がりは実はかなり薄くなってる。まあ星を離れてるから当たり前と言えば当たり前だ。今の私の力はゼルのマナと言っていい。それをがぶがぶと……後で絶対にゼルに何か文句言われるよ。あのドラゴン、体は大きい癖に何かと小言が多い。


 きっと初めての友達という関係に浮かれてるんだろう。既に数年たってるが、ドラゴンの時間間隔は私達とは根本的に違う。数年なんてゼルにとっては昨日の事のみたい。百年くらい経てば一週間くらいの感覚なのかな? なのであのドラゴンはまだ浮かれてるのだ。


「よし、装置の起動は確認した。行くぞ!」

「ちょっと待ちなさいよ!!」


 カンガタの奴は装置の起動を確認すると、すぐさま上に行こうとしやがった。だからそれをマナの供給の立つことで阻止する。


「何をす――ぐぬぬああああああああああああああああああ!!」

「きゃああああああああああ!!」


 体の動きが鈍ったカンガタをアラガタの腕がふっとばしてた。当たり前だよね。敵の動きが鈍ったらそこを突かない訳ない。ちゃんとバリア的な物で僅かにガードしたが、私のガードなんてアラガタにとっては紙の様なんだよね。


 素で頑強でパワーもある奴が世界樹というマナタンクを味方に付けるなんて反則過ぎる。私達はビルを何個か突き破って止まった。


「余計な事をするな」

「余計じゃないわよ。ちゃんとクリエイト回収しなさい」

「そんな暇はない。後で回収すればいいだろう。あんな弱者は戦闘の邪魔だ」


 むむむ、カンガタの奴め……確かにクリエイトは戦闘では役に立たないだろう。けどこの星に置いていって、いい事があるような気がしない。既にユングもそして車長さんもいなくなってしまった。せめてクリエイトだけでも帰してあげたいじゃん。


 これは流石に譲れないよ。私はカンガタを脅す事にした。

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