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Ω113

「あったあった」


 私は建物内を探して例の模様替え装置を見つけた。やっぱり箪笥の中にあった。箪笥の中にいれておかないといけないというような縛りでもあるのだろうか? 私は箪笥の何で白い霧を発生させてるそれを取る。小手の方で触ったらとれた。いや、別につけてない方でも取れたのかもしれないが、何となくね。けどそれを取ったらこの部屋の色が抜けた。


 やっぱり変な感覚だ。全てが灰色みたいになってる。手に取ると、霧の様な物は止まった。マジマジと見ると、ちょっと厚いカードみたいな感じだった。ちょっと大きな本くらいの大きさに、五センチくらいの厚みがある。けど不思議とめっちゃ軽い。


 振ったら中でカランカランとか音がしそう――とか思って振ってみる。けど音はしなかった。スカスカの様な気がしたんだけどな。


「さて……どうしようか」


 取り出したのはいいけど、ここからどうやればいいのかはノープランだ。まさか分解して改造する訳にもいかない。そもそもなんか一枚の板で、斬り目もはめ込んだ様な後もない。当然ネジだってない。どうやって作ってあるのか謎過ぎる。


 そもそも問題はこの装置の側ではない。問題なのは中身なんだ。システム? といってもいい。


「やっぱりこれしかないよね」


 私はカンガタから託された小手を見る。この小手は悉く私のピンチを救ってきてくれた。何やらとても高性能なのではないか? と私は思ってる。それに私の肉体とくっついてるからか、なんか私の意思を組んでくれてる? と思う時もある。


 てかこれに賭けるしかないんだよね。何せ上の階のデカい装置はどう使えばいいかなんてわからないし、私が望む機能があるかもわからない。けどこの小手なら……


「なんとかしちゃうんじゃないかな? って思えるんだよね」


 そういう事だ。だから私は取り出した模様替え装置の板を小手の上に置く。小手がついてない方の手で支えて、小手の甲の部分に翳す感じね。何もならないと困るから私は必死に祈る。


「お願い、これで上手く私をカモフラージュ出来る様にしてください!」


 するといつもは地図が表示されてる部分が反応した。何やら文字の様な物が躍った様な? そしてそれは気のせいではなかったようだ。次々と文字が流れていく。そして小手が光る。小手は青く光ってる。それに対して模様替え装置の板の色は赤い。けど……


「だんだんと同じになってる?」


 そうなのだ。文字が変わっていくたびにその色はどんどんと小手の輝きに近づいていってる。これはもしや期待できる? 数分で小手と模様替え装置の板の色は完全に同じ輝きを放つようになった。そして文字は止まってる。完了したということじゃないだろうか? 


 私は小手を信じて模様替え装置の板のを胸に抱く。そして小手をはめてる方の指で「動け!」という思いと共に中央付近を押してみた。溢れる様に靄が出てきた。そしてそれが私を包んでいく。

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