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Ω98

 目の前にある金色に輝く鎧。実際これは実用的な物なのだろうか? やっぱり祭壇に祭られてる感じだし、実用性よりもその華美な見た目で神を表現してるのでは? でも神って言うのもおかしい気はする。


「この星にはかつての大戦で勝ち上がった種に与えられたんですよね?」

「エデンにはそういう記録があるわね」

「それなら神っていうのはうその与えられた種族ですか?」

「考えようによってはこの星を与え存在かもだけどね」


 なるほど確かにその可能性もある。そもそも星を与えってる何? って感じだし、その権限を持ってる存在ってなんなんだろうか? 私達種族間の争いはその存在によって仕組まれてるのだろうか? 


「まあけど、祭られてるのが鎧だし、きっとここを与えられた種の事を祭ってるんでしょ」

「けどそれならどうしてこんな隔絶してるんでしょうか? パッと見た感じ、どうやら出入り口なんてないですよ?」


 そうなんだここには来る手段がない。この星を与えられた種か神を名乗ってこの星で祭られるのはまあわかる。既に祭ってくれる存在なんてこの星にはいそうにないが、昔は違ったのかしれないしね。けど普通こんな所に作らないでしょう。


 もっと大々的な場所に作る物ではないだろうか。そもそも誰も訪れない様にする意味がわからない。


「もしかしたら中には転送できる装置でもあるかもよ?」

「なるほど……それもそうですね」


 あの鎧はぶっ壊してたが、あいつが使えなかっただけで、もしかしたらここに来る手段はあるのかもしれない。けど……


「どうやって中に行きますか?」

「そうね……」


 そういってラーゼ様は鎧の周囲をウロウロとする。私もあたりを見回して、床をコンコンとしてどっかに仕掛けがないか確かめる。だってここで何やら言ってた鎧が突然その姿を消している。きっと中に入る手段があるんだ。


「やっぱり怪しいのはこの鎧ね」

「そうですね」


 一通り調べたが、何も仕掛けは分からなかった。そもそもがこの星は私達の星と技術が違う。根底は同じかもだが、発展の仕方が違ってる。だからここの知識がない私達にはここに何か仕掛けてあったとしてもそれに気づく事がそもそも難しい。


「とりあえずマナを……」

「ラーゼ様?」


 手を黄金の鎧に向けたラーゼ様。けど、それから動きがない。いつもなら黒いマナの塊を飛ばす筈だ。けど……


「ダメね。ここにはマナがない」

「え? どういうことですか?」

「そのままの意味よ。ここにはマナがないみたいね。完全に」

「そんな事ってあり得るんですか?」

「あり得てるじゃない」


 確かに。いまここがその証拠だ。反論の余地はない。


「な、なぜ?」

「そんな事、私が知るわけないでしょ」


 それも確かに……だった。ラーゼ様は凄い方だか、なんでも知ってる訳じゃない。


「どうしましょうか?」

「マナがないのなら、なにか別の方法があるんでしょう? そもそもがこの星のマナがなくて困るのは奴らの方なんだし」

「それもそうですね」


 まさにラーゼ様の言う通りだ。まだ手はあるんだ。そう思ったとき、何やら床がガタガタしだした。そしてその揺れは徐々に強くなっていく。なんだか……まずい事が起きそうな気がする。顔を見合わせた私達。きっと同じことを考えてる。


「離れるわよ!」


 その言葉をラーゼ様が発すると同時に私達は地面を蹴った。軽くじゃない力いっぱいだ。当然、事前に手を握ってる。僅かな重力で繋がってただけだから私達は再び無重力の海へとなげだされた。

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