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Ω85

「え? えええ!? なんか無機質になりましたよ!?」


 思わず声を出す程には驚いた。この部屋にはそれなりにカラフルだった。いや、カラフルというのは言いすぎかもしれないが、未来的な感じでいい感じにはなってた。けど今、この部屋は灰色になってる。灰色というか、鉄とか金属の素の色? 


「それが色をもたらしてたって事?」


 ラーゼ様の言葉に私は手に持ってるカードみたいなのを床に置いてはた。けど何もかわらない。どうやらあの箪笥の棚じゃないとダメみたいだ。


「でもなんで……」


 なんでこんな装置があるのか謎だ。だって部屋に色を付けるって……たしかに全ての色が取り払われたこの部屋はとても誰かが住んでた様には見えない感じを受ける。無機質さがあらわになったって言うか……


「ここまでしてるという事は、やはりこの星の住人がいたんですよね?」


 車長さんがそういった。確かにそうとしか思えない。消えてしまった住人達。私達は最初に歓迎を受けたあの光景が今やもう幻だったんじゃないかと思ってた。けど、やっぱりあれは幻ではなかったのだろうか? 一つの部屋にこんな技術を投じてるのを見るとね。


「他の部屋とかはどうなんでしょう?」


 そんな言葉をきっかけに廊下に出てみると別段色はなくなってなかった。


「この部屋はアレですかね? 自由に配色できるのが売りの部屋なのかもしれませんね。私たちの星でもこういう部屋を作って賃貸にすれば人気出るんじゃないですか?」


 大体賃貸の部屋って制約多いし、備え付けられてるのは勝手に捨てるなんて事は出来ない。その割には最低限使えそう……程度の物しかない。安っぽいしね。けどこの技術なら、自分好みの配色にいつでもできる。気分を変えたい時とかに最適だ。


「まあ考えておくけど、流石にエデンじゃないと無理じゃないかな」

「そうですか……」


 ちょっと残念。私の今の部屋は軍の寮だからこういう機能があったらよかったなあと思う。


「他の部屋にも同じ様な機能があるのでしょうか?」

「見てみればわかるでしょ」

「そうですね」


 少し進んで次の扉に手を掛けて扉を僅かに開ける。けど今度は鎧が座ってるって事はなかった。広い部屋でさっきの部屋の三倍は有りそうだ。きっと沢山の鎧が集まる事を想定してるんだろう。


「広い部屋です。中央に何かありますね」


 それは上の階をぶち抜いて差し込まれてる様な……バランスの悪い瓢箪みたいな感じの何かがある。私はたちは部屋へと入ってそれの前にいく。


「なんでしょうかこれは?」


 あまりにも異様な物だから自然とこれに注目してしまう。今までは何に使うのか私たちがみてもわかる物が多かった。けど……これはわからない。


「うーん、色を変えるアイテムがあったし、これだけ大きいと……この建物を作り替える装置とか?」


 ラーゼ様が考察したそれは荒唐無稽なんだけど、ここは違う星だ。もしかしたらあるんじゃないかと、私達は思ったよ。

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