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Ω63

 更に私達すすむ。どこまでいってもこの不毛の大地が続いてるとも思えなかったからだ。けどその認識は楽観的だったのかもしれない。進み始めて一日がたった。相変わらず景色はかわらない。徒歩じゃなく、列車で移動してるのにこれだ。


 既に数十キロは移動してるはず。なのになんの景色も変化はない。


(そういえば――)


 と思った。そういえばこの星は自分たちの星にかなり近づいてたのに、その姿はあまりよくはみえなかった。なぜならいつも分厚い雲に覆われていたからだ。けどどうしてか……じっさいこっち側に来てみると、実は雲なんて物はない。ずっとだ。ずっと青天。


「そういえば、空が変わってない気がしませんか?」


 私はボケーとそんな事を呟く。するとラーゼ様やユングが空を見た。皆気づいてなかったのかな? 確かに地平線の方ばっかり見てたからかも? 私も生き物探す為に地平線みてるけど、私は空を見るが好きなんだ。こんな女らしくない私のちょっとした女らしさが空が好きみたいな所。


 それにはアンティカだって関係してる。だってアンティカなら、人種でも空の近くに行けるんだからね。とまあそんな意味ない事は置いておいて、私の発見に――私の発見に! 二人が驚いてる。ユングはユングは下ばっかり見てるような陰気奴だからなかなか空なんて見なかったのかもしれない。


「確かにおかしいわね」

 

 そういってラーゼ様が手をかざす。すると光が空から降ってくる。え? なにそれ? 美少女って空から光を降らせる事が出来るわけ? 凄すぎる。もしかしたらこれが出来て本当の美少女とか……


「あの、ラーゼ様今のは?」

「ん? 前に飛ばした奴だよ」


 それって確か救助を呼ぶためにやった奴だよね? いまここで戻ってきたという事は……


「それはつまり……とどいてなかったと?」

「そうなるね」


 軽いよラーゼ様! 救助が来るって信じて私達は世界樹から離れてた筈だ。けどどうやらそれは……


「救助は来ないって事ですか?」

「それはわからないわね。私がいなくなったのはわかってる筈だし、エデンの超技術なら位置を特定くらいできるかもだし、でも難しくはなったのは確かね」


 ラーゼ様は軽く言ってるけど、大変な事態だよ。不透明な逃避行はいままでもそうだったけど、ちょっとだけ希望はあったんだ。けどそれが今やなく、そして食料ももう殆どない。このままじゃ私達はここで野垂れ死にだ。私達をここに連れて来た奴が何もしないのも、何もしなくとも私達が追いつめられるとわかってるからなんだ。そうなると、やっぱり私達はここの世界樹を目指すしかなくなる。


 もちろんだからって帰れる保証なんてない。けど、それしかすがる物がないのなら、進路をそっちに向けざるえない。けどまた希望はきっと……きっと……


「空に何か特殊な力でも張り巡らせてるのかもね。これだと外からだと来れないかも」


 ラーゼ様のその一言で希望は潰えた。外からの救助を待てないなら、自分たちでどうにかするしかない。


「こうなったらちょっと飛ばしてみましょうか」


 ラーゼ様はそういってベッドの上から空を指さした。確かにその手も……ある?

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