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Ω62

「変ね」


 そう呟いたラーゼ様はベッドから体を起こして外を見てる。そんな恰好を外に晒すのはどうかと思うが、まあ見たところ何もいないから大丈夫だろう。さっきから不毛の荒野が続いてる。既に数時間は走ってるが、景色が変わらない。やっぱり生き物一ついなんだ。


「何が変なのですか? もう見飽きた程同じような景色ですけど?」


 私はラーゼ様にそういうよ。一応ラーゼ様や私が寝る場所はカーテンで仕切られてる。いくら私が守ってるとはいえ、ラーゼ様のあられもない姿を常時男共の目に晒しておくわけにはいかない。ラーゼ様の為にも、あちらの為にもだ。


 ラーゼ様はそんな事かんがえもしないかもしれないが、男共もこんな密室に超絶美少女と四六時中一緒にいて、更に普段は見れない様な部分を見てると、どうしても溜まってくるだろう。発散出来てるのかは知らないが、これは双方の為に必要な事だった。

 ラーゼ様は別に自分のどんな格好を見られても別に何とも思ってはなさそうだけど、見せられた方はたまったものじゃない。もう少し自分の容姿に自覚してほしい物だ。それともわざと? 自分が超絶美少女とわかってるから、どんな格好を見られても兵器とか? まさか、そんな訳ない。

 純情なラーゼ様に限ってな……そんな事を思ってると、ラーゼ様は何やらマナを指先に集めてらっしゃる。綺麗な光だ。


「この星にはマナが満ちてる」

「はあ、世界樹のおかげでしょうか?」


 世界樹があれば、きちんとマナか星を巡るらしい。それによってどこかに偏るって事がないみたいな? つまりは世界樹がなかった私達の星はマナの巡りが滞ってたって事になる。その影響を人種が感じなかったのは、そもそも人種には内包するマナ自体が少ないからだと。

 けど各地には結構な影響があるらしい。弱いから人種は大丈夫だったって事だ。なんとも複雑な話だ。


「そうじゃないわよ。なんで豊富にマナがあるのに、こんな事になってるのかって事でしょ?」

「ああ、なるほど」


 ラーゼ様が何を言いたいのかようやくわかった。マナは全ての生命の源だ。それが豊富にあるのに、この光景はおかしいって事を言いたいんだね。けどそんなの私に聞かれても困る。私は専門家ではないし……とりあえず思いつく事を言っておくか。

 こういう時は黙っとくのも印象が悪い。考えてますアピールが大事だ。


「なにか、他に盗られてるって溢れてるんでしたね。なら、合ってないとか……でしょうか? たしかマナは濃すぎると毒にもなるんですよね?」


 この星のマナは私達には毒の様な物だ。ラーゼ様の話では少しずつ慣らしていけば、ここでも活動できる様になるらしいが、すると今度は帰った時にまた元のマナに慣らさないといけないらしい。それだけマナは繊細なのだ。


「けど、ここのマナは、この星のマナでしょ? それとももしかして、元々あった星を乗っ取ったとか……」


 そこまでいってラーゼ様は黙った。何やら考え込んでブツブツと言ってる。ふむ、こうなったら黙っておくのがいい。考えを邪魔しちゃダメだ。私は外を見て、生き物を探した。だって植えたくないし、どうせなら旨い生き物がいないかな?

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