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Ω58

 ラーゼ様は外に出ると同時に扉を閉めた。私達が中にいる列車に外のマナが入らない様に気を使ってくれたんだろう。私もすぐに追いかけようとしたが……なぜか扉はあかない。何かしたのかと、車長をにらむが、怯えて首を振るだけだ。


 どうやら彼の仕業じゃないらしい。悪い事をした……けど、ならこれはラーゼ様が? なんとお優しい。私達を守る為に……クソ、自分が情けない! そんな事を思ってる間にもラーゼ様は普通に歩いてる。そしてちょっとしゃがんだと思ったら、地面をガサゴソ……


「ああ、綺麗なお手手が汚れてしまいます!」


 アホな事を口走ってるなあ……とか思ってるが、車内に残ったユングや社長もうんうんと首を縦に振ってる。やっぱり綺麗な物が汚れるのは嫌だよね。特にラーゼ様は特別に美しい。まあだからこそ、汚したいって思う奴もいるかもしれないが、基本はその美しさを愛でたいじゃん。だから土なんかでラーゼ様が汚れちゃうとね……

 

 そもそも何をやってるんだろうか? 土質を見てるとか? きっと私には分からないことをラーゼ様は調べてるんだろう。今から戻って来たときの為にタオルを用意しておくか? けど、いつ何時ラーゼ様に危険が起こるかわかない。なら一瞬も目が離せないし……なやましい。


 まあ何か起きても出れないんだが……ちょっとだけ土をほじくったラーゼ様は再び立ちあがる。そして汚れた手を服でパンパンと……


「ああ! 服汚れますよ!!」


 案の定横の二人もうんうんと首を振ってる。これ以上ないくらいにユングとシンクロしてる気がする。てかまさかラーゼ様が服で汚れを払おうとするなんて思ってなかった。ハンカチとか持ってないのかな? 汚れた服を本人はあまり気にしてないが、あれだけでも滅茶苦茶高いんだろうなって思うとこっちが気が気じゃないっていうか……とりあえずふたたび立ち上がったラーゼ様はいよいよ何かするようだ。


 静かにたたずむラーゼ様の周囲が何やら輝きだす。そして今度はこっちの空に見える我が星に向けて手を向けるラーゼ様。その手の平が銃を模した形になってる。そしてその手の先から幾重もの魔法陣が広がる。


「凄い……」


 三度、ユング達が同じ様に頷く。だってこんな光景……人の身でこれだけの魔法を使えるなんて……流石はラーゼ様だ。神々しいという言葉はまさにラーゼ様の為にあるといって過言ではない。本気でそう思う。そしてラーゼ様は指先に集まった光を撃ちはなった。普通は星と星を移動なんて出来ない筈だけど……はるか遠くまで行ってもその輝きは私達にもみえていた。

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