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√78

「なんで……どうしてですかカタヤさん!!」


 そう訴える私の目の前には金色のアンティカがその剣を携えている。そしてその更に後方には青いアンティカの姿もある。別窓でそっちは映してる。けどチャンネルは合わせてあるから、どっちにも聞こえてる筈だ。


『亜子……君。すまない!』


 金色のアンティカが動く。向こうはがちがちの接近戦タイプ。そして遠距離が得意な青いのもいる。かたやゼロは支援タイプのアンティカだ。この二体を相手にするのはきつい……そうちょっと前なら。今のゼロはこの地を出た時とは世代がかわったといってもおかしくない進化を果たしてる。


 なにせエデンという、アンティカの生まれ場所でこれまで手付かずだったフレーム部分のメンテナンスさえされたんだ。フレーム部分はアンティカのブラックボックスだった。その素材はサビず多少の破損は勝手に修復する。だから別にブラックボックスだったとしても、アンティカを動かす分にはなんの問題もなかった。


 でもそれでも何もせずに長い年月が流れてたのは事実で、外には見えないガタがあってもおかしくはない。そして事実、それはあったんだと思う。だってエデンでのちょっとしたメンテナンスの後に試乗をしてみたら、全然違った。


 そして更にそこから更に色々と調整されてる。なので今のゼロは新世代のアンティカだ。二世代くらいは違うかもしれない。そしてカタヤさん達のアンティカは旧世代。今まで私はカタヤさんの攻撃をかわし続けてきた。


 でも……それじゃあダメなのかもしれない。さっきも悉くカタヤさんの攻撃を避けたし、援護射撃だって、絶妙に交わしてきたが、二人はまだ理解してない。今のゼロには勝てないって。そもそも二人とも私と同じように無力化を狙ってる。


 それはそうだよね。私たちは憎いから戦いあってる訳じゃない。状況がそうさせてるだけだ。だから何べく殺さずに……傷つけずに……そう考えてる。でもこのままじゃ平行線だ。終わりはこない。二人は二人でなら、私を無力化できると考えてるようだけど、それは違う。


 それをわからせないと二人はとまらない。ゼロと同類の二機を傷つけるのは気が引けるけど、しょうがない。私は金色のアンティカの動きを見極めて振り下ろされる剣の間合いに素早く入り込む。そしてその腕を下から受け止める。


『何!?』


 驚くカタヤさん。それはそうだよね。今まで、こんな事できたためしなかったもん。だって金色のアンティカは私たちの中で一番スピードとパワーがある。だからこその前衛なんだ。けど今の動きは明らかにゼロの方がそれらを上回ってるという証。


 ゼロの手を振りほどこうと力を込めてるようだけど……


「無駄です!」


 メキメキという音と共に、腕の装甲をゼロが握りつぶす。


『バカな!!』


 装甲が砕け、手の力が抜けた金色のアンティカはその武器を落とす。


「わかりましたか? 二人掛りだとしても、私には勝てません」


 その言葉と共に、ゼロはその目を光らせる。

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