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√75

 私達の歌が響く。そろそろライブも終盤かなって所で私たちの耳に通信が入った。


『急速に接近する熱源を確認しました。これは――アンティカです!』


 アンティカって事はゼロ以外の二機って事? 今さら何しにきたのだろう? なんか嫌な予感がする。あいつらが私に立ち向かうとは思えないんだけど……いや、どうだろう。魔王が出てきてるとしたら……向こうにつくこともある? だって魔王はカタヤの妹の体を使ってるからね。それを使えば……


(とりあえずフィナーレまでは待っててよね)


 けどどうやらそんな願いは聞き入れられないようだ。耳に『高熱源反応接近』の声が響く。それは攻撃してきたった事だ。私たちには世界の守りがあるから死ぬことはない。けど、飛行ユニットまで守ってくれる訳じゃない。だからこのままじゃ不味い。


 でも焦る事はない。だって――その時攻撃から守るようにゼロが私たちの前に立ちふさがる。赤いマナを放出して攻撃の軌道を反らした。ゼロはエデンの技術力でパワーアップしてる。他のアンティカよりも優位性が高い。


『なんのつもりですかカタヤさん! ベールさん!!』


 そんな亜子の声が聞こえる。私は歌いながら下をみる。ライブはまだ終わってないからね。どうやらこの赤いマナもアンティカの登場も演出だと思われてるみたい。まあ普段はアンティカなんて見れないからね。ベールさんの攻撃は直撃なんかしなかったから、オーディエンス達は何も気づいてない。


 よしよし。


「亜子、そのバカ達任せたからね」

『ちょ!? ラーゼ!』

「何? 私が動くとなると、殺す事になっちゃうわよ?」

『あんたね……』


 冗談じゃない。それは亜子だってわかってるでしょう。私がどういう女なのか。私は優しいよ。基本的にはね。けど、容赦もない。敵対するのなら殺せるだけの残酷さも持ち合わせてる。そういう二面性が女の魅力じゃないかな?


 折角気持ちよく歌ってたのに邪魔されるって嫌いなんだよね。だから私が動くとやり過ぎちゃうかもしれない。だって今の私にはアンティカを破壊することなんか簡単なんだからね。私はエデンの支配者だ。そしてアンティカが造られた場所はエデンだ。


 つまりはアンティカ全ての技術は手の内にある。まあ、私は技術的な事は全然知らないし、わからない。わからないから、知る気もない。そこはネジマキ博士に頑張ってもらうのだ。けど大切なのは、エデンから全てのアンティカは制御出来るって事。まあ古いし、結構改造されてるから完全に制御は出来ないが、フレームにはほぼ手は入ってない。

 だって今の技術ではブラックボックスだったからね。だから遠隔から私はアンティカに自爆くらいは実はさせられるのだ。そういう機能があるからね。でもそれやったら流石に中のパイロットが助かる事はない。それを使ってほしくないのなら……亜子がどうにかするしかない。


 とりあえず亜子にあっちは任せてこっちはライブに集中だ。そして最後のフレーズが空気に溶けていく。するといようにパチパチと近くから響く拍手に気づいた。


「見事であった。まあ、我の方が可愛いがな」


 そういうのは頭に王冠をつけて金の一角を生やし、透けてる銀糸のドレスに身を包んだ女。一瞬誰かわからなかったが、何となくカタヤとに似てる感じはある。こいつはミリアだ。魔王ミリア。とうとう私の前に魔王自身が現れた。

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