表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

653/2428

√59

 物凄い音と振動が響く。ファイラル側の人達は逃げたが、化け物と化してた国軍側は逃げたりしてなかった。そうなると、かなりの数が、あの巨体の下敷きになったということだ。砂埃が周囲を染めている。何もみえないほどだ。どれだけの被害が出たかは分からないが……ただ利用されただけの兵士達が大半だろうに……哀れだと蛇は思う。だが命を散らすのも兵士の仕事。それ以上を思うことはない。

 この責任を取るのは我々ではない。それは人種の国の上の奴らだということだ。


「アンサンブルバルン様!!」


 そういって五体の兵士達が蛇の傍に寄ってくる。そして膝を素早くついた。勿論膝がある奴だけだ。ない奴は頭部分を下げてるなってわかる程度に下げてる。


「皆、よくやってくれました」

「本当に、そこそこ役に立ってくれましたよ」


 ヘビと共に彼女もそんな言葉を彼らに送る。すると彼らは体を少し反応させて彼女をみる。


「おお、トゥルー様も起こしでしたか」

「ええ、アンサンブルバルン様に助力をしてました」


 むふーと得意気にそういうトゥルーと呼ばれた彼女。皆は何やら、彼女を苦手としてるのか何やら微妙な空気。


「今回はとても助けて貰いましたよ」

「ふふ、お褒めにあずかり光栄です」


 なんか努めてトゥルーはおしとやかに見せようとしてる。猪突猛進な様子がみてとれない。そんな彼女を様子をちょっと引いてみてる彼等だが、蛇も肯定してるから、そうなのだろうと思うことにする。それに下手につついても碌な事にはならないと、彼らは知っていた。


「どうでしょうアンサンブルバルン様、これで終わりでしょうか?」


 布だけの奴がそう聞いてくる。それを蛇は土埃が収まりそうもない方を見ながらこういう。


「どうでしょうね」


 上手く頭を撃ち抜いたと蛇は思ってる。たが、あのでか物の能力は実際の所、わからなかたった。なにせその力を見る前に倒そうとしたからだ。それは上手くいって今このようになってる訳だが……完全に倒したのかはわからない。あれだけの大きさだ、生命力もそれなりにあるかもしれない。頭脳は破壊したが、あの体にたまってる力がどうなるか……それはわからない。そうおもってる、再び大きく地面が揺れる。そして地面の割れがひどくなっていく。どうやらあのデカい体が暴れてるようだ。


「やはり思った通りにしぶといようですね」


 冷静にそういう蛇だが、別段焦ってないわけじゃない。あの化け物から感じる力がどんどん大きくなっていってる。このままじゃ、膨れる力に体が耐えられなくなって爆発するだろう。あの巨体の爆発だ。放置してたら、蛇たちも巻き込まれる。逃げれる時間はない。一刻も早く、あの巨体を消滅させなければ……けどいまのめんつでそれが出来るか? ダンプもあの巨体に押しつぶされただろう。


 そう思ってると、一機の飛空艇が上空にきた。そしてそこから何かが投下される。それは空中で割れ、中から大量の何かが巻かれる。土埃の中に消えていくそれが何なのか、蛇たちにはわからない。だが、それが投下されてから、次第に力は小さくなっていく。地面の揺れも収まっていった。そして静かになった戦場には、無数のぬいぐるみ達がお腹をさすって寝そべっていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ