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647/2424

√53

 初めてデカい化け物の上に出た蛇はそこから力を込めた鞭を無数に放つ。沢山の触手を切り離すが、それで再び無差別な攻撃が放たれた。


「くっ」


 距離が近い事で無差別な攻撃も密度が高く当たりやすい。蛇は急いでプールの中に戻った。するとすぐに彼女が来てくれる。プールの中央付近まで一気に泳ぐ。光線が迫ってくるが、水の中だからか空中より遅くなってる気がする。


 それに彼女が凄い。彼女は水の中でも息が出来る様で、水から上がる必要がない。それに姿形は人に限りなく近いのに、泳ぐとそのスピードは圧倒的。この中でなら、あのでか物の攻撃に当たる気がしない。ただ一つ問題なのは……蛇には空気が必要ということだ。


 空気が危なくなってきたら、彼女の背中をたたく事で外に出てくれる。だけど最初の時のようにこの化け物を超えて上に出ることは流石にできない。攻撃が激しすぎるからだ。少し顔だけ出して触手を斬り、そしてまた潜る。それを繰り返す程度の事しかできない。


 でも物理的な距離が近づいた事で効率は上がってる。少しずつだが、確実に一部分の触手を削ってる。そうするとその部分の触手が放ってた分の攻撃が減る。更に近づきやすくなる。


 そして時間をかけてようやく再び上へと出れそうな空間が出来た。


「奴の背に乗ります!」

「はい!!」


 彼女に押し上げてもらって再び蛇は化け物を飛び越える。沢山の攻撃が眩しい。だが、この一角は薄い。そして流石にこいつも自身に攻撃を当てるようなことはしてない。つまり背は安全圏だ。そんな背に蛇は降り立つ。


「さて、どうしますかね」


 触手はなんとか切れるが、流石にこの胴体を鞭で切れる気はしない。


「締め上げますか」


 無限ともいえる魔力供給がある自分なら……と蛇は考えた。蛇は自分の舌についてるピアスに意識を集中する。流石にキララ程には無制限にマナを得られるわけではないが……自分の限界以上のマナは容易くえられる。それを素早く武器の方へと流す。


 強大なマナはそれだけで毒となる。だからこそそれぞれに適量が存在するのだ。無理矢理許容範囲を超えれば、器が壊れるのは当たり前。だから蛇もすぐに別の器にマナを移すのだ。その器が蛇の武器である鞭だ。新たな種がラーゼ様の軍門に下った事で更なるグレードアップをなしている。


 その鞭はマナが満たされていくと同時に、次第に形をかえていく。今まではただの鞭の形をしてた。だがそれが今や、まるで巨大な蛇へと化している。


「これでまだまだ向こうが大きいですが……案外細いし、丸めれば何とかなるでしょう」


 この化け物は大体どこもうねうねとしてる。うまく絡めれば今の鞭でも十分に締め上げる事は可能だと判断した。蛇はいっそう態勢を低くして鞭を振るう。蛇となった鞭はシャアアアアと良いながら尻尾の方の触手に入っていく。光線は先端から出てる。なら根本らへんは安全だ。


 合図が来てぐっと引っ張ると、尻尾がおお菊沿った。そのせいで攻撃が本体に当たりだすが、もともと無差別な攻撃だ。ここで当たるような運のなさな蛇ではない。


「ふん!」


 更に鞭を振るってもう一段階丸める。これで胴体の半分くらいまで尻尾が丸まった。更に蛇はもう一本鞭を出す。


「今度は頭ですね」


 そういって更に蛇はピアスからマナを引き出した。

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