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√46

 ファイラルの全ての情報が集まる広い部屋、その中央には白い大樹が半透明で鎮座してる。けどこれはもちろん本物ではない。でも完全に飾りでもない。この投影された大樹はクリスタルウッドの状態をモニターしてるのだ。そしてモニターで見る限りクリスタルウッドの状態はあまりよくない。いつもはただ綺麗にそこにあるクリスタルウッドが、今は何やら赤く変色してる部分がある。


 実際のクリスタルウッドはとても大きい。だから変化を見る事が難しいが、こっちのは縮小版みたいなものだ。クリスタルウッドの変化が鋭敏にわかるようになってる。それを見る限り、クリスタルウッドに不純物が混じってるのは明らか。

 

「騎士達は何をしてる!!」


 そんな事をいってる立派な服を着たちょび髭の人はさっきから落ち着きなくウロウロとしていた。そんな彼に一番いい椅子に腰を下ろしてるハゲは落ち着いて声をかける。


「相手は魔族です。そう簡単にはいかないでしょう。それにクリスタルウッドと共に避難民もそこにはいます。どうやら避難民は操られてるみたいですしね……」


 映像を確認する限り、犠牲者は出てないが、いい状況ではない。彼等は精一杯やってる。そうハゲは思ってた。


「もうすぐ、援軍が到着するでしょう。それによって状況が――」

「通信です! ラーゼ様によって世界の理が変わり、美少女は世界が守るようになってることで、クリスタルウッドの所で騎士たちが相手にしてる魔族にはどんな攻撃も通らないみたいです!」

 

 椅子に座って各地からの情報を受け取る役目をおってる一人がそんな声を上げる。ちょび髭の人が額をもみながらハゲに尋ねてくる。


「どういうことだ……いや、でしょうか?」


 そんな事を聞かれてるもハゲも困る。なにせ約束の地へと出発したラーゼ様達への通信は島に到着したという報告以降届いてない。向こうに何か起こってるのは想定内だが、こっちがこんなことになるなんてのは想定外だった。

 だからきっとラーゼ様達はこっちを気にもとめてないだろう。そうハゲは思ってる。


「それだけの情報ではなんとも……だが、戦闘中の騎士たちに詳しい事を聞くわけにはいかないでしょう。そういう事だというふうに対処するしかありません」

「魔族から得た情報なら、嘘かもしれません」

「だが、確信があるから彼らもこちらに報告をしたと思いますよ」


 こんな情報、確信がなかったら現場の彼等も上へと上げてこないだろうとハゲは思う。それに映像でも魔族にはダメージが通ってる様には見えない。いや、遠目だからあまり詳細には見えないが……今は騎士が一人で剣を交えてて、他は補佐をしてる感じ……


(一人……)


 そのおかしさにハゲは気づく。


「あの相手をしてる騎士は女性では? 騎士たちは決して一人で戦わない様に言われてる筈です。それなのに一人で戦っていて、そして戦えている。どちらにも世界の守りが働いてるからあの騎士は一人でも魔族相手に戦えてるとみるべきです」

「それは確かに……」

「ですがハゲ様、世界の守りがあるのなら、援軍が意味を成しますか?」


 援軍はそれぞれの戦場に向けてはなっている。意味はある筈だ。だが、一番中枢に入られてるあの魔族をどうにかできないのは正直困るとハゲは思う。


「後は騎士たちを信じましょう。彼等ならやってくれる」


 このまま世界樹を抑えらるのは本当に不味い。各地の戦場でも魔族がどんどんと前に出てきてる。奴らが何を目的としてせめて来てるのか……まっさきに世界樹を狙ってる事から、やはり世界樹が目的なのか……だが、まだはっきりとはしない。


 ハゲは集まってくる情報を一つも聞き逃すまいと集中してた。

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