表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

58/2415

#58

 目の前に金ピカの機体が降りてくる。どうやって話ししようか悩んでたんだけど、案外向こうもその気? アレかな? 正義感強い奴でも乗ってるのかな? 多分私生体兵器認識されてるだろうし、助けたいとか思っててくれてる? まあ私の可愛さなら殺そうとせずに助けたいと思うのは普通だよね。自然の摂理である。私の言った事、理解できたかな? 

 どういう反応をするか、私は出方を伺う。

 

「どういう……事だ?」


 金ピカの機体から聞こえるのは若い声。そう私と変わらなさそう気もする。けど声変わりしてるようだし、上かな? とは思う。私の言葉の意味がわからなかったか。けど、アレだけの情報じゃ、そうなるよね。けど、あんまり時間はない。なぜなら、私の仕事はいつも一瞬だったからね。アンティカ相手だから多少手間取っても大丈夫だろうけど、あんまり時間掛けるのはよくない。

 

 私の籠絡は末端までは及んで無いのだ。末端なんてただの駒だからね。上さえ虜にしてしまえば、下が何を言おうと意味は無いのだ。だからあの施設の奴等はまとも……いや、命を命とも思ってないからまともとは言い切れないが、国を売るなんて事はしないんだろう。取り敢えず私は耳にしてたなんちゃってピアスを取る。だって穴開けるとか怖いじゃん。

 てか私の身体に穴とか……それもう罪だし。だからなんちゃってなのだ。けどこの中央にはめ込まれてるのは、音声を記録出来る宝玉なのだ。そういう道の人達がよく使う代物なんだとか。その場の音声を記録したり、こういう風に偽装して情報を受け渡したりしてるとか。カメレオンに聞いた。

 

 私はそのピアスをアンティカに向けて差し出す。それをおどろおどろしくもお大きな手で受け取る。それを確認していうよ。

 

「それじゃ、早く離れなさい。巻き込まれるわよ」


 まだ死んでもらっちゃ困るしね。そう言ってシッシっとするもアンティカから必死な声が聞こえてきた。

 

「まってくれ! タイプ・ゼロは……いや、『ミリア』はどうなった!?」

「ミリア?」


 誰? と思ったが思いつくのは一つ。私が前に壊したアンティカのパイロットかな? 多分ライザップが捕らえてると思うけど……生きてるとしても碌な状態じゃないだろう。捕虜を守る様な法とかないし、戦時中にそれを守る国がそもそもあるかってね。五体満足でも、精神はどうかわかんないし、名前からして女だよね? 犯され尽くしててもおかしくないかも? 

 

 でも獣人達にとって私以外の人種なんて全部同じに見えるんだっけ? それならそんな事はしない? うーんわかんないけど、絶対に碌な事にはなってないよ。

 

「私はしらない。けど、あんまり期待しない方がいいわよ」

「そうか……だが俺は諦めない」

「勝手にすれば?」


 そんな風に言って、数瞬だけ視線を交わす。本人とじゃないけど、なんとなくそんな感じがした。そして風をいきなり起こして、一気に総十メートル飛び上がり、更に加速してく。いったいどんな機関を積んでるのか……多分戦闘機とかより早そう。遅かったとしても、あんなグニャグニャと動けないだろうし、どっちみち凄すぎる。

 

「さて、やりますか」


 既に私が出てきた時から人種の軍は後退してる。ほぼ被害なんて出ないだろう。けど、一応ね。周りをざっと見回して、私は体内に溜めた力を解き放った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ